_______ ページ19
side BLUE
舞台裏にはけたその瞬間に、倒れ込みそうになったのを瞬時に舘様が助けてくれて、ぶつけないですんだけど、狭い通路であのまま倒れてたら、きっとどこか怪我をしていた。
俺たちの休憩も兼ねて、地方ローカルに切り替わったから、俺らの出番は無く、まだ良かった。
舞台裏から1番近い部屋に寝かせてもらって、そこに黒田先生も来てもらった。
｢北斗くん、ちょっと、無理しすぎじゃない？｣
汗だくで、ギュッと目を瞑り、胸に手を当て苦しそうに息をする北斗。
黒田先生には大丈夫…とうわ言のように呟く。
｢…やっぱり、昼食、取らせればよかったね｣
｢はぁ、はぁ、っ、はぁはぁっ、｣
黒田先生が苦笑いしながら点滴を差した。
俺たちはこの時間にもちろん寝てても構わないんだけど、パフォーマンスの後で興奮してるしシャワー浴びたら皆ケータリングに向かった。
北斗はいつも規則正しく昼食を取り、薬を飲んでいるから、その時間を取れないことは、黒田先生も前々から心配してた。
この休憩が終わったら、今度は障害のある子供たちとのダンス企画。
VTRの間少し休ませることは出来なくないが、パフォーマンスは外せない。
そして、21時までそのまま突っ走る。
｢だって……自然に出たんだもん。はぁ、ﾊｧｯ
続けたいって言葉が｣
先生を見上げる顔は辛そうだけど、口角は上がっている。
なんで、北斗が病気になったのか。
そんなの分からないけど、少しだけ分かった気がする。
たしかに昔とは変わったかもしれないけど、
それは成長で、根幹はデビューしても、どんな状況でもずっと変わらない。
｢っ、はぁはぁっ、みんな、楽しかった！？｣
子供たちとのパフォーマンスを終えた俺たち。
北斗がしゃがんで、子供たちに問いかけると、みんな笑顔で答えてくれて、会場には大きな拍手が起きた。
｢北斗、お前もよく頑張った｣
オフマイクでそう告げたジェシー。
北斗は小さく頷いて、差し出された手を頼りに立ち上がる。けど、
｢っと！危ない…平気？｣
ふらつく体を高地とジェシーが二人がかりで起き上がらせる。
心配そうなスタッフさんや客席をよそに、北斗はカメラに隠れて懸命に呼吸を整えようとする。
♪桜吹雪の サライの空へ
ランナーは放送時間に戻ってきてくれて、感動のフィナーレ。
もう北斗は、支えなしで歌えるような状態ではなく、それは画面の向こうに伝わっているだろうけど、みんなで肩を組んで歌っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 479人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - Sakuさん» お楽しみいただけて何よりです〜こちらこそ、ありがとうございます！LOCKLOCK続編もお楽しみに〜 (2019年10月13日 23時) (
レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
Saku(プロフ) - BLACK読ませていただきました！最高でした！ありがとうございます またたまにある黒田先生との絡み楽しみにしてますね笑 これからも無理なく更新頑張ってください！ (2019年10月13日 17時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - ななさん» ありがとうございます〜♪はい！是非ともパート3でも遊びに来てください！嬉しいですー！頑張ります(^^) (2019年10月12日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました。辛くて切ない中にも、みんなの優しさやあたたかさを感じられてとても素敵なお話でした。移行先でもあーちゃんさんの小説を読めるのを楽しみにしております。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: e1e336f268 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - くりさん» ありがとうございます〜！けっこう難しかったですが、私も楽しみながら書かせてもらいました！またお願いします〜 (2019年10月8日 6時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年9月20日 12時
