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side BLUE
ファンの子たち向けの動画や、YouTubeでは話したことがあるけど、それもデビュー前のこと。
デビューしたあと、コンサートや雑誌ではその話題に触れたこともあったけど、テレビで話すのは初めてだ。
つまり、俺たちを知らない方々に、北斗の口からは言うのはカミングアウトに近い。
VTRが始まる。
「っ、」
隣では、息が詰まったような苦しそうな表情を見せる北斗。
「北斗、座ろ?大丈夫」
オフマイクでジェシーが告げた。
それはそれは怖いだろう。
病気のことで、嫌な思いをしたことは沢山あるだろう。
だからこそ、俺たちは、北斗の全てを受け入れなければならない。
このVTRを作るため、俺たちは1週間ほど密着してもらってた。
『北斗ー!遊んでないで先に薬飲めー!』
スノスト合同で打ち合わせしていた日の休憩時間。しょっぴーたちとふざけてた北斗に高地が呼びかけた。
会場に笑いが起きる。北斗の顔も少し緩む。
『はぁはぁっ、はぁ、お疲れ様です』
息を切らした北斗がカメラマンさんに近づいて、汗を拭きながら、レッスン場で14人がパフォーマンスの確認をするのを見ている。
『皆より体力無くて、こうやって1人抜け出させてもらったりするんですけど、皆文句一つ言わないで、気にかけてくれて。
……今も、ふふ、今も、京本が、ちょっと休んだほうがいいんじゃない?って、俺に直接言うわけじゃないけど、ジェシーに(笑)』
息が整ったあとも休んでる北斗に、俺達が少し遠くから手を振って、「集中しろよ」なんて、歯を見せて笑ってる北斗。
ワイプの俺は、このきょもほく案件、全然知らなかったからめっちゃ笑ってしまう。
ダンスを辞めて、14人で集まって、話し合いをしてたら、スタッフさんがやってきて、少しインタビューを。なんて。
『YouTubeなどでもちょっと、様子を動画でアップしてるんだけど、骨髄移植の時は、かなり辛い治療だったよね』
俺は北斗を見た。
自分はこんな顔してたんだと、少し不思議な気分。
『…うーん、そうだね。
自分で仕事を一旦お休みして、治療に専念するって決めたわけだけど…
移植直前の検査結果も思わしくない、抗がん剤もちょっとやそっとの副作用じゃなかったので…』
そう答えた北斗。
別のVTRが差し込まれ、骨髄異形成症候群のこと、造血管細胞移植のことの説明がある。
当時の映像をYouTubeにアップしているものは使われていて、北斗がどれだけ頑張っていたか、改めて思い知る。
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あーちゃん(プロフ) - Sakuさん» お楽しみいただけて何よりです〜こちらこそ、ありがとうございます!LOCKLOCK続編もお楽しみに〜 (2019年10月13日 23時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
Saku(プロフ) - BLACK読ませていただきました!最高でした!ありがとうございます またたまにある黒田先生との絡み楽しみにしてますね笑 これからも無理なく更新頑張ってください! (2019年10月13日 17時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - ななさん» ありがとうございます〜♪はい!是非ともパート3でも遊びに来てください!嬉しいですー!頑張ります(^^) (2019年10月12日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました。辛くて切ない中にも、みんなの優しさやあたたかさを感じられてとても素敵なお話でした。移行先でもあーちゃんさんの小説を読めるのを楽しみにしております。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: e1e336f268 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - くりさん» ありがとうございます〜!けっこう難しかったですが、私も楽しみながら書かせてもらいました!またお願いします〜 (2019年10月8日 6時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちゃん | 作成日時:2019年9月20日 12時