___ ページ22
side RED
なんて返せばいいかわからないまま、
1人で歩かせるのは怖かったけど、
振り払われてしまっては仕方ない。
北斗の少し後ろを歩いて、レッスン部屋に入る。
皆もう揃っている。
｢よし、始めよう｣
切り替えが大切。
北斗も体調悪いのは明らかだし、
早く始めて早く終わるしかない。
皆も察してくれたらしく、どうしたの？って聞いてくる。
｢なんでかは分からない。単純に体調悪いのかな｣
こーちがそっか。って。
上手くやるから。って。
そうは言うけど、今日ばかりは、話しかけるなオーラ凄いけどな…
ほんとに北斗の様子がおかしい。
｢…休憩。ね、北斗っ、ちょっと無理しすぎ｣
こーちが呼び掛けても全然声届いてないみたい。
｢どしたー？｣
慎太郎が遠くからそう言って、近付いてきて、
皆もそれで寄ってくる。
なおもまだ北斗は振り返ってくれなくて、鏡を見てる。
北斗だって後ろにいる俺らが鏡越しで見えるはずなのに、踊り続ける。
｢北斗、ストップ。お願い、ちょっと休んで｣
こーちが鏡と北斗の間に立つ。
｢休めないよ…しごと、…しごとしないと｣
｢っ、北斗！｣
北斗は小さな声で呟いて、そのまま後ろに倒れ込んだ。
俺は咄嗟に回り込んで、受け止めるけど、俺自身が一緒に倒れ込む形で、背中を派手に床にぶつけた。
｢ジェシー！北斗っ！大丈夫？北斗！｣
樹が、俺の体ごと起こしてくれる。
呼び掛けても起きない北斗に背筋に嫌な汗を感じた。
｢おいっ、北斗！北斗分かる？ほくと！｣
体揺らしたら、はぁっ、はぁっと荒い息遣いでうっすら目を開ける。
｢どした？どこが辛い？｣
高知が目線を合わせて汗ばんだ北斗の前髪をかき分ける。
樹がスタッフさんに対応をお願いし、大我と慎太郎が北斗のカバンからタオルやら飲み物やら持ってきてくれる。
｢わかんな……はぁっ、っ、しご、と｣
｢仕事？仕事が何？｣
高地が耳を傾けるけど、北斗はそれ以上何も言わなかった。
｢今日はもう辞めて病院行こう？
マネージャーさんに車回してもらってるから。
黒田先生にも連絡してくれるって｣
樹もこっちにやってきた。
ピクッて反応した北斗は、ヤダヤダって首を横に振る。
｢辞めちゃ、ダメ…ハァハァ｣
｢何でダメなの？しんどいでしょ？｣
慎太郎が水を飲ませる。
｢レッスンだから、また元気な時にやろう？｣
｢嫌われちゃぅ……っ、｣
大我が優しく声をかけた瞬間、北斗の目からは涙がポロポロと溢れてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 637人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - ゆづぃーさん» ご愛読、コメントありがとうございます(^^)勿論全てフィクションですが、笑 のめり込んでいただいて嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2021年4月14日 6時) (
レス) id: 12865d1db9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづぃー - 北斗のつらさと、メンバーのつらさがリアルで本当にこんなことがあったのでは、ないかと不安になりました笑 とってもおもしろかったです♪ (2021年4月13日 23時) (レス) id: 810e0e885e (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - Sakuさん» ありがとうございます〜私も書いてて楽しかったです！今後もよろしくお願いします (2019年9月19日 17時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とうふさん» お楽しみいただけて何よりです！また遊びに来てくださーい！ (2019年9月16日 8時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - メロンパンださん» お返事が遅くなり失礼しました(^^;リクエストありがとうございます！了解しました〜お待ちください♪ (2019年9月16日 8時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年8月31日 9時
