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(ジンside)



ユンギがAに話してからAは上の空でいる事が多くなった。一緒に食器を片付けているAの動きが止まったかと思うとグラスの割れる音が響いた。


「A…!」

『すぐ片付けますね…っ!』


割れたグラスを手にしたAの指から赤色の血がぽたぽたと流れる。
慌てて近寄ればビクリとする身体。きっと叩かれると思ったのだろう。下を俯いて来るであろう痛みを待っている。


「指、見せて」


近くにあったタオルを持ってAの指に触れる。傷は深くないみたいで安心していると泣きそうな顔で僕を見つめている。


『ごめんなさい…っ、次はちゃんとするから…だから…捨てないで…っ』

「Aを捨てる訳ないでしょ」


まるで昔のAを見ているみたいだ…。こうやって追い込まれて傷ついてきたのだろう。震える身体を抱きしめて片手で割れたグラスを片付けているとギュッと抱きしめられた。


『ジンさんごめんなさい…』

「次からは割れたものを触っちゃダメだよ?」


小さな手に優しくキスをすれば泣きながら頷く。
この子のトラウマはきっと深い。僕らがゆっくり癒していかないといけない問題のひとつだ。


「僕らは家族でしょ?Aが怖いことなんてもう二度と起きないよ信じて」

『僕が悪い子でも…?』

「これくらいじゃ悪い子じゃないよ。それにそうだとしても離れたりなんかしない」


片付けたグラスを捨てて救急箱に手を伸ばし絆創膏を取り出す。血がとまった指に付けて指を絡め涙の止まらない頬に触れ涙を拭ってあげる。


「Aは優しい子だからあの人達の事を考えてしまうかもしれないけど、AにはAの人生があるんだよ」

『僕のじんせい…?』

「そう。幸せにならなきゃ勿体ないよ。僕らとの人生を生きて欲しい」


いつか大人になった時にこの意味が分かればいい。
忘れられないとしても上書きくらいはさせて?


『僕もみなさんとずっといたいです…』

「うん。ずっと一緒にいよう」


僕に抱きついて甘えるように縋り付く。
離してと言われても離せないよ…。

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アメスピ(プロフ) - しゅが 。さん» しゅが。さん1話から読んで下さりありがとうございます!大好きと言って貰えてすごく嬉しいです!ゆっくり更新になりますがこの先も読んで貰えたら嬉しいです!ありがとうございます! (2019年9月20日 3時) (レス) id: d7bf211220 (このIDを非表示/違反報告)
しゅが 。 - うわああ更新待ってました…!このシリーズのお話1から読んでて…!とっても大好きだったので久しぶりの更新嬉しいですほんとに( ; ; ) (2019年9月19日 16時) (レス) id: 46ae974855 (このIDを非表示/違反報告)
アメスピ(プロフ) - ラッピーさん» ラッピーさん有難いコメントありがとうございます。仕事がバタついていたので更新出来なかったのですが落ち着いてきたのでまた新しい話を書いていこうと思います。楽しみにして頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2019年9月19日 13時) (レス) id: d7bf211220 (このIDを非表示/違反報告)
ラッピー(プロフ) - アメスピさん。お元気でいらっしゃいますか。このお話が大好きです。またいつか更新されることを楽しみにしています。 (2019年9月16日 16時) (レス) id: 3b02c1c542 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アメスピ | 作成日時:2019年5月26日 18時

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