17歳のボーダー隊員の日常

とっても優しいあなた ページ12

今、ベットで読書をしていた木下の前には
眉間にシワを寄せて立っている三輪がいた

『あ…こんにちわ！しゅ…秀次！』

できるだけ笑って言うと
大きくため息をつき椅子に座った

「頭の怪我はどうだ？」

『傷は塞がってきてるからあとちょっとで退院だよ！』

「そうか…」

そう言うと三輪は木下の手を掴み握り、顔をベットにつけた

『秀次？』

「心配した」

『うん』

「病室にも怖くて入れなかった」

『きいた』

「起きなかったらどうしょうって」

『大丈夫だよ』

木下は三輪の頭を撫でると三輪は顔を上げて言った

「前も言っただろ女の子なんだからと
　無理するな
　差別するつもりはないが怪我はしてほしくないんだ
　Aは笑っていればいい」

『いつもより饒舌だね』

そう言い笑うと少しむっとしてコンビニの袋から
アンパンマンの棒付きのチョコを取り出した

「これやる」

『秀次が買ってくれたの？』

「当たり前だろ」

『想像できなくて』

げらげらと笑うと三輪は袋からもう一個出した

「これ好きだろ
　前に一緒に食べようと言っていたから買ってきた
　食べるぞ」

『喜んで！』


2人でチョコを食べながら最近あったことなどを2人ではなした

とても穏やかな時間が流れた





ーAが怪我をした！！

そう焦った声で言う奈良坂に持っていたカバンを落とした


嘘だと思った


だが、病室で頭に包帯をつけて寝ている姿を見れば嫌でもわかる


入りたくなかった


笑って


名前を呼んでほしかった


痛々しい姿を見てられなかった


その時思った




　 この子を守りたい




この思いが強くなった

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