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2日後
「早く着きすぎたかな…」
待ち合わせ場所はチャンプルタウン。
私の自宅がある街。
私の住む街に行くと連絡が来たのは昨日。
しかし私に怖がられると思ったのか。
誘ったのは自分。
中間地点もしくはこちら側に来てもらうのは申し訳ないから。
そんな弁明のメッセージが送られてきた。
別に「私の家に行こうとしてる!」とは思わなかったけど。
「あっ」
公園の噴水の近くに見覚えのある後ろ姿を発見した。
待ち合わせ時間の15分前。
私の方が先だと思っていたが彼は更に早かった。
「え!待って!グルーシャ!」
「ヤバい!ファンなんです!」
グルーシャさんに声をかけてきた2人の若い女性。
邪魔をしたらいけないかな。
自然と足が止まり、背後からその様子を見ていた。
さすが人気のジムリーダー。
握手を求められ、断る様子はなく応じている。
「大好きです!応援してます!」
自分の思いを伝えるとファンの子達は去っていった。
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グルーシャ「…あっ」
ふと後ろを振り向くグルーシャさん。
目が合うと少し早足で私の元にやってきた。
グルーシャ「…おはよう」
「おはよう」
グルーシャ「…今の見てた?」
「見てた。邪魔したら悪いと思ってここで待ってた」
するとグルーシャさんは不満そうに眉を下げた。
グルーシャ「遠慮しないで声かけて」
「いやいや…この女誰?ってなるでしょ?」
グルーシャ「なると思う」
「まぁ…でも…僕の姉ちゃんとか言えばいいのか」
グルーシャ「そんな嘘つかないから…本当の事…言うし」
「本当の事?」
グルーシャ「…僕の好きな人」
グルーシャ『僕はAさんを狙ってる…そのつもりでいて』
アプローチするから覚悟して。
そう言う意味だと理解はしていたけど。
こんな感じで来るのか。
私の想像以上にグイグイ来そうな予感。
「なるほど…そう言う感じか…」
グルーシャ「…嫌?」
「過激じゃなければ…ってこんな事を言わせるなよ!」
そう言うとグルーシャさんは「ハハ」と声に出して笑った。
グルーシャ「やっぱり…可愛い」
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作者名:トモ | 作成日時:2023年10月21日 21時