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アオキさんの言葉に納得させられた。
世の中には色んな立場がある。
どんな立場なのか。
それにもよるけど相手を知る前に年齢でNGにするのは失礼だ。
マナ「何でそんなに連絡先を交換したいんですか?」
アオキ「それは…本人に聞いて下さい」
マナ「とりあえずグルーシャさんと話してみたら?」
マナの言葉に小さく頷く。
するとアオキさんはグルーシャさんに手招きをした。
「 ( こっちに来る… ) 」
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グルーシャ「…初めまして」
そう言うとグルーシャさんは僅かにマフラーを下げた。
チラリと口元が見えた。
グルーシャ「グルーシャ…です」
「Aです…初めまして…」
マナの疑問は私も感じた。
なぜわざわざ連絡先を聞きに来たのか。
そこまでして私に拘る理由は何だろう。
マナ「グルーシャさん…アオキさんから言われたんですよね?」
グルーシャ「…何を」
マナ「知らない人と間接的に連絡先は交換しないとか誠意が見られないとか会社まで直接聞きに来いとか…」
グルーシャ「言われました」
「面倒臭いと思わなかったんですか…?」
するとグルーシャさんは私に視線を移した。
目元しか見えないから感情がよくわからない。
グルーシャ「面倒臭いと思わなかったから…」
「えっ…」
グルーシャ「直接の方が誠意が伝わって…それで連絡先が聞けるなら…」
マナ「ねぇ…何か…」
アオキ「どうされたんですか?」
マナ「料理好きの女性が好みで…Aが料理好きだから白羽の矢が立ったんですよね?」
アオキ「…そうですよ」
マナ「グルーシャさんの話を聞いてたら…料理好きとかじゃなくて…Aがよくて連絡先を聞きたいんじゃないかと思って…」
何も言わずに目を逸らすアオキさん。
マナの言葉は芯を食っているのだろう。
アオキ「もう誤魔化しきれませんよ…グルーシャさん」
マナ「料理好きだとしてもAじゃなければ聞いてないですよね?」
するとグルーシャさんは頷いた。
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作者名:トモ | 作成日時:2023年10月21日 21時