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グルーシャ「後ろ」

「ん?…あっ」



オレンジアカデミーの入学経験はなく。

ポケモンバトルやジム戦とは無縁の人生。



でも私には手持ちのポケモンが1匹いる。

シンオウ地方で出会ったオスのヨマワルだ。



「ヨマワル…どうしたの?」



いつモンスターボールから出たのだろう。

私の背中から顔を覗かせている。

グルーシャさんをジィーッと見つめる姿が可愛い。



グルーシャ「Aさんのヨマワル?」

「うん…私のポケモンはこの子だけで…」

グルーシャ「パルデア地方には生息してないよね?」

「母親の実家がシンオウ地方で…遊びに行った時に出会って…」

グルーシャ「ポケモンはその子だけなんだよね…どうやって…」

「気付いたら側にいて…私を気に入ってくれて…それが縁で…」

グルーシャ「そうなんだ。…おいで」



ヨマワルに手招きするグルーシャさん。

するとヨマワルは躊躇する事なく近付いた。



「珍しい…普段は人見知りするのに…」

グルーシャ「人見知りする子なんだ。…何でだろうね?」



グルーシャさんに頭を撫でられて嬉しそうなヨマワル。

ポケモンを惹きつける愛され力。

ジムリーダーになる人にはそう言う魅力があるのだろう。



グルーシャ「Aさんの言い方…いいなと思った」

「私の言い方?」

グルーシャ「ヨマワルに気に入られて…じゃなくて…気に入ってくれてって…」



野生のヨマワルが私に懐いてくれた。

それは私にとって嬉しい出来事だった。

だから自然とそう言う言葉になるのだろう。



「私を選んでくれてありがとうって…そう思ってるから…かな?」

グルーシャ「そう言うところ…ヨマワルは見抜いたんだと思う」

「ありがとう。でもヨマワルはグルーシャさんの人柄も見抜いてる」

グルーシャ「僕の?」

「ジムリーダーになる人はバトルが強いだけじゃなくてポケモンに対する愛もある。ヨマワルもそれを見抜いてグルーシャさんに対しては人見知りしないんだろうなって…」

グルーシャ「…そうかな?」

「ふふ、そうですよ」

グルーシャ「まぁ…ポケモンに対して愛があるのは事実だけど…」



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作者名:トモ | 作成日時:2023年10月21日 21時

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