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44【夢】 ページ44

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 ライコウside



ライコウ「寒くないか?」



するとAは首を横に振った。



「綺麗ですね…」

ライコウ「あぁ」



初めてAと過ごす夜。

私が「星が綺麗な夜だ」と呟くとAは言った。

外に出て星空が見たいと。



バルコニーに出た私達は座り、空を見上げた。

どこを切り取っても綺麗な星空。

Aの表情は穏やかで時折見せる笑みが可愛らしい。



ライコウ「もう少し…近付いてもいいか?」

「ふふっ…はい」



恥ずかしそうに頷くA。

もどかしさを感じる距離を縮めると私達は密着した。

私の前足にAの腕から微かに熱が伝わる。



ライコウ「私は…スイクンのように甘く口説ける性分ではない…」



エンテイは見かけ通り熱く。

クールそうなスイクンが実は積極的で甘い。

最後の王である私はどちらでもない。



「誰かと比べる必要はなくて…私は王様のそんな一面…いいなと思います」

ライコウ「A…」



愛する妻を自分の虜にしたいと誰しもが思っている。

しかし気付けば私がAの虜になっていた。



ライコウ「ありがとう…」

「王様は…王様です」

ライコウ「…何だか距離を感じるな」

「えっ…」

ライコウ「王様と呼ばれるのは距離を感じる」

「ライコウ…とお呼びした方がいいですか?」

ライコウ「あぁ…それがいい」



欲とはこんなにも次々出てくるものなのか。

触れたい、名前を呼んで欲しい、触れて欲しい。



ライコウ「A…私の顔に触れてくれないか」

「はい…」



手を伸ばし、私の頬に優しく触れるA。



ライコウ「A…」



Aの小さな唇に触れるだけのキスを落とす。

無言のまま見つめ合うと我慢できずにAが笑う。



ライコウ「もう1回…キスがしたい」



また欲が出てきた…

触れるだけのキスではもう…

次のキス…

はたして止められるかどうか…



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トモ(プロフ) - 猫-MAO-さん» 多くの作品があるなかお気に入りの1つだなんて嬉しい限りです!ありがとうございます! (12月30日 12時) (レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)
猫-MAO- - この小説、すごく面白くてお気に入りの1つです。これからも投稿頑張ってください! (12月30日 1時) (レス) @page2 id: dd1cedb082 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 豆さん» メリークリスマスです! (12月28日 5時) (レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)
- ちょっと遅れましたがメリークリスマスです (12月27日 21時) (レス) id: 5dd14be858 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - はるさん» レシラムのお陰でようやく進展しました!はるさんもメリークリスマスです! (12月25日 18時) (レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トモ | 作成日時:2023年10月6日 0時

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