２３ ページ23
.
「ここがどう言う場所か知ってる…？」
するとダクマは小さく頷いた。
「どうしてここにいるの…？」
ダクマ「ここの人間に騙された…」
「何て言われて騙されたの…？」
ダクマ「私は強くなりたい…師匠は弱くないと言うが…実際…ライバルに勝てない…」
「もしかして…修行？」
ダクマ「どうすれば強くなれるのかを知る為…なぜライバルが強くなったのかを知る為に旅に出た…しかしこの土地を歩いている時に声をかけられて…私の気持ちを伝えたら強くなれる方法…場所があると言われてここに…」
デンジ「その思いに漬け込んで…何て酷い奴らだ…」
強くなりたいと言う純粋な気持ち。
それを利用して闘技場に連れてくるなんて。
「ここに来て…強くなれた…？」
私の言葉にダクマは首を横に振った。
ダクマ「私はいつも負けている…ここの空気に呑まれる…」
ダクマ「強くなるどころか…弱くなっている…力も精神も…」
そう言いながら俯くダクマの頭を優しく撫でた。
ダクマ「A…？」
「ダクマ…ここから逃げよう…」
もちろん他のポケモン達も保護したい。
ただ私達だけで全員を連れ出すのは無理だ。
でもダクマだけなら今日私達と一緒に逃げ出すのは可能だろう。
ダクマ「しかし…」
デンジ「ダクマ…申し訳ないけど俺は君の目を見て他のポケモン達と同じようだと思ってしまったんだ。でもAちゃんはダクマの目はまだ死んでないと言って…」
ダクマ「私の目が…心が…まだ死んでないように見えるのか…？」
「私にはそう見えた…だから気になって…声をかけたんだけど…」
ダクマ「私は半ば諦めかけていた…ここから逃げる事も…強くなる事も…」
「これも何かの縁だと思う…私達と一緒に行かない…？」
数秒の沈黙の後。
ダクマは「逃げたい…」と小さく呟いた。
デンジ「決まりだ…タイミングを見計らって「おい」
振り返ると屈強な男が立っていた。
私達の話を聞かれただろうか。
「今からダクマの試合だ。観客席に戻りな」
そう言うと男は私達の首根っこを掴んだ。
「ダクマ…」
ダクマは力強く頷いた。
彼の最後の戦いが始まる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トモ(プロフ) - 猫-MAO-さん» 多くの作品があるなかお気に入りの１つだなんて嬉しい限りです！ありがとうございます！ (12月30日 12時) (
レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)
猫-MAO- - この小説、すごく面白くてお気に入りの１つです。これからも投稿頑張ってください! (12月30日 1時) (レス) @page2 id: dd1cedb082 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 豆さん» メリークリスマスです！ (12月28日 5時) (レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)
豆 - ちょっと遅れましたがメリークリスマスです (12月27日 21時) (レス) id: 5dd14be858 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - はるさん» レシラムのお陰でようやく進展しました！はるさんもメリークリスマスです！ (12月25日 18時) (レス) id: f87b27dade (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トモ | 作成日時：2023年10月6日 0時
