御影家のお嬢様 (ページ9)

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「やぁ、御影A。」

『初対面のレディに対して呼び捨ては失礼ではないの？
絵心甚八様？』

そう指摘するも、悪びれた様子はなく首を振った。

「そう言うのはアンリちゃんの役割だ。俺の仕事じゃない」

「ちょっと絵心さん、大切なお客様なんですからちゃんとしてください」

焦ったように言う後ろの彼女。帝襟アンリ。
大切なお客様＿というのはわたくしが一大スポンサーになり得る存在だから。

こちらとしても、こんな美味しそうな企画には一枚噛みたい。だからこそ、お父様もわたくしがここに来ることを許して下さった。ブルーロックが世間の話題の中心になることは間違いない、それはお父様も気づいている。

まぁ、そんな素振りを見せれば相手に大きく出られる。
あくまで、こちらが選ぶ側だという姿勢を崩さない。

『まぁ、いいわ。絵心甚八、わたくしとっても興味があるの。ここにわたくしと、お兄様の欲しいモノがある。
わたくしを退屈にさせないでちょうだい。』

「ここにいて、退屈だなんて言う奴はいない。
誰もが熱くなれる場所、それがここ、ブルーロックだ。」

真っ直ぐわたくしの瞳を見てそう言う彼。

『わたくし、欲しいモノを手に入れるためなら手段を選ぶつもりはないの。

わたくしが出せる最大の金額、10、いえ15億出すわ！
よろしくて？わたくしが必要ないと感じたらすぐにでも手を引くわ。わたくしを退屈させないこと。それさえできるのなら、なんだってして見せましょう。

どうかしら。破格の条件でなくて？』

わたくしが言った金額に驚くこともなくニヤリと笑ってみせた彼。後ろの帝襟様はとても驚いているようだ。

「さいっこうのエゴだ。自分のためにお前は動くと。」

『その通りよ。わたくしはわたくしの為にしか動いたことはないわ。だって、わたくしわがままですもの』

わがままなお嬢様、そう言われてしまったのだ。
それなら、最大限それを利用しよう。だってわたくしはわがままだから！

わたくしは好きなように動く。
だってわがままだから！その一言で片付いてしまう

「そうか、契約成立だ」

『仲良くしましょう？絵心さま？』

わたくしは今、最高に楽しい
わたくしの人生は退屈に満ちていた

ブルーロックに出会うまでは
千切豹馬に出会うまでは

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お嬢様に"わがままだから"という言い訳を用意させてしまった千切豹馬。自分の言葉がこんなに彼女を変えたとは思ってない
知ったら、めっちゃ喜ぶと思う