御影家のお嬢様 (ページ1)

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潔side

『ここにいる方達は何を必死にやっているのかしら？』

グラウンドにやけに響いた声。
凪誠士郎が4点目をいれて、こっちの流れを止めた。
そんな時だった。
煽るような声にひかれて、聞こえた方向を振り返る。

『なんて時間の無駄なの。馬鹿みたい。』

そう言ったのは制服をきた少女。
年は多分中学生くらいか･･･？
明らかに俺たちを馬鹿にした言葉にチーム関係なく殺気立つ。ここにはサッカーに命懸けてるやつしかいない。

「Aっ！」

『あら、お兄様。あぁ、わたくしの半径5メートル以内に入らないでくださいましね。汗臭いわ』

お兄様･･･？？
の割には冷たい対応。
お嬢様のような言葉遣い。いや、服装とかからしてもお嬢様なんだろうけど。後ろにスーツを着た女の人も控えている。

「えっ、女の子だ！」

「アァ？あいつ今なんつった？」

まさかの女子の登場に場が騒然となる。
しかも、お兄様。あの御影玲王の。

「A、俺たちを馬鹿にしに来たのか？」

『いいえ、違いますわよ。仕事ですわ。
ブルーロックのスポンサー契約と言ったところですかね
わたくしのことは空気だと思ってくださいな』

そう言ってニコッと笑うがあの存在感のあるお嬢様を空気とは流石に思えない。

「俺がここにいるのに父さんが投資するとは思えないな」

『御影コーポレーションが投資しているのではありませんわ。わたくしが個人で投資しているの。』

個人で投資･･･？
さすがお嬢様は言うことが違う。

『3-4ね･･･たった一点差？お兄様負けるんじゃないの？』

「サッカーのルールも知らないようなヤツは黙っとけ！
ここにいるヤツらはみんなサッカーに命懸けてんだ。
さっきの馬鹿だという言葉、撤回しろ」

初めて御影くんが声を荒げた。
あの子に詰め寄って、撤回の言葉を待っている。

『そうね、さっきの言葉。謝罪致しますわ、無神経だったかもしれません』

兄に怒鳴られてショックなのか少し沈んだ声でそう言った。

「いいか？俺は負けない。欲しいモノは全て手に入れる」

『そう、よかったじゃない。サッカーには飽きないのね。』

僕たちがいるサッカーコートを見回してから意思のある真っ直ぐな視線を御影くんに向けた。

『わたくし興味がありますの。お兄様がそこまでして欲しいモノ。』

それが、破天荒な彼女と、僕らの出会いだった。