朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」2

56話 臆病 ページ9

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『王様！お待ちください！』




不思議そうに振り返った王様に右手をパッとだす




さっき、ルシアを殴ろうと振り上げた手にベッタリとついた血




王様の手からまだ滴る血





『一体何が……？』





ハ「先程、陛下がテジュン殿の剣を止めた時に負われた怪我だ」





『ハク！？』





柱に寄りかかり、腕を組んだハク




テジュンの剣を止めたって……




素手で！？刃を掴んだってこと！？




『何故そんな危険なことを…！？』





イ「いやぁ…咄嗟に手が出ちゃってねぇ。








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私も、娘を守る為だったから」





姫様を守る為に




あぁ、わかってしまった




この王は臆病者では無いことが




身を呈して娘を守る強い御方だ






『…イル陛下。今までのご無礼お許しください』





陛下の前で跪き、頭を垂れた





隣でハクも膝をつく






『あなた様に、生涯つかえることを誓います。
姫様の専属護衛、慎んでお受けいたします』




ハ「俺も……受けます」





下げた頭にふわりと重みを感じた




イ「ハクとエースがヨナの護衛を引き受けてくれて嬉しいよ





あの子は世間知らずなところがあるから、宜しく頼むよ」





陛下が私とハクの頭をなで、ニッコリ笑う





守って見せる、





姫様も






イル陛下も





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