80話 リナ ページ33
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微かだが物音がした
まさか………
恐る恐る、襖の間から部屋を覗く
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『………良かった』
膝から力が抜け、床に座り込んだ
……姫様が起き上がった
それだけで、こんなにも嬉しい
テヨ「リナが起きた!ね、言ったでしょ!」
『うん、ありがとうテヨン』
つい、泣きそうになり目を擦る
安心した………
だが、襖を開けた瞬間ギョッとした
テヨ「……なんで泣くんだ?」
姫様が食事を口にいれた途端、涙をこぼしたのだ
流石にテヨンも驚いたらしく、真っ先に部屋に入って行った
テヨ「ま……不味かった…?」
泣いている姫様に会うのがどうも気まずく、襖に隠れて部屋の内を伺った
テヨンの言葉にふるふると頭を振り、姫様は口を開く
ヨ「あ、温かくて………」
テヨ「温かくて泣くのか。変なやつだな」
ヨ「ち…父上を……思い出して」
ドクンと心臓がなった
イル陛下を………
また、思い出してしまったのか
どうしようと思っているうちにテヨンが行動を起こした
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テヨ「俺はテヨン。ハク兄ちゃんの弟だ」
姫様の涙を拭い、姫様に話しかける
……凄い子だな
悩んでないで、私も見習わないと
部屋に入ろうと襖に手をかけた
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ヨ「ハクの……弟……」
テヨ「お前はハク兄ちゃんの友達か?」
ヨ「………………………………たぶん」
たぶんて、ハクが不憫
部屋の様子に気を取られ過ぎて、後ろの人物達への反応が遅れた
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ヘ、テ「「たぶん友達ーーーッ!?」」
『ギャ!!』
後ろから突っ込んできた二人に押され、下敷きになった
テ「そんな、愛人とか恋人は無理だとしても」
へ「たぶん友達て、視界にもすら入ってねーっス
あわれハク様、超片想…………………い」
ハ「目ん玉ほじくったろか」
急に首根っこを捕まれ、引っ張り出されたと思ったらハクの大刀でヘンデが潰された
テ「うそうそ、本当はそっちの朱色……ぐえっ」
ハ「お前も同じようにしてやろうか」
テ「………もうなってま〜す」
『…ち、窒息する…………!』
宙ずり状態で首が絞まり、一瞬三途の川が見えた
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fruit - ハクのハが八「はち」になってますよ。 (2021年8月11日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - そう、思って頂けて本当に嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年5月6日 17時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - 毎日更新を楽しみに待ってます!!夢主とハクの絡みが面白くて、気付いたらニヤニヤしながら読んでます笑 (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - ありがとうございます! (2020年5月3日 10時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2020年5月3日 3時) (レス) id: 2782a43946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2020年2月23日 11時