85話 洗濯 ページ38
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頬を思いっきり叩き、背中をしっかり伸ばす
今のは全部夢だ、幻だ
全部忘れよう……………よし!忘れた
野菜篭を抱え直し、川に向かう
が、目の端に赤い見事な髪の人物が目に入った
『ひ…!…じゃなくてリナ、さん?』
また、姫様と言う所だった
全然慣れないこの名前
誰だ、リナって名前にしたの
ヨ「…エース?」
『はい、一万リンの借金を返すため、タダ働きさせられてる貴方の可愛そうな母親です』
姫様に愚痴を溢し、泣き真似をして見せた
クスッと笑った姫様にホッとして、笑い返した
「リナちゃん、ちょっとリナちゃん」
ヨ「あっ、はい」
名前に慣れないのは姫様も同じらしく、呼ばれても反応が遅れた
「ボーッとした娘だね。昨日は良く眠れた?」
ここはボーッとした子だらけだよ、と溢すおばあさん
テウやヘンデが頭に浮かび、ありゃボーッの域を越してるな、と思った
「あんた城の女官なんだってね
城で料理も裁縫も掃除も洗濯も舞いも琴も出来なかったから追い出されてここで修行するって?
そりゃもうあんた、女やめな〜」
普通ならここで主を庇うべきだろう
だが、8割…嫌9割正しいので何も反論できず、むしろ笑ってしまった
「あぁ、あんたの事もハク様から聞いたよ
とんでもないジャジャ馬で、木から落っこって大怪我した所をハク様が拾って、救って下さったらしいねぇ」
ん?
ハク、あいつとんでもないデマカセを………
裏では次あったら八つ裂きにしてやろうかと考えつつ、表情は柔らかく、上品に答えた
『えぇ、怪我をして動けない私をハク様が運んでくださって………
恩を返そうと思い、ここで働かせて頂いております。
ハク様は本当に
多額の借金を
つい、熱が入り血管が浮き出た
幸い気づかれなかったが、被った猫が早々に脱げる所だった
「取り敢えずイチから教えるから。まずこれ洗っといで」
ドサッと渡された洗濯物によろめいた姫様を見えないように支える
ヨ「あっ洗うって…………?」
「川で洗うに決まってるだろ」
ヨ「川って………どこ?」
姫様が川の場所を教えずに行ってしまったおばあさんを見つめて首を傾げる
そういえば、私も川の場所知らないんだった…………
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fruit - ハクのハが八「はち」になってますよ。 (2021年8月11日 0時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - そう、思って頂けて本当に嬉しいです!!ありがとうございます! (2020年5月6日 17時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - 毎日更新を楽しみに待ってます!!夢主とハクの絡みが面白くて、気付いたらニヤニヤしながら読んでます笑 (2020年5月6日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - ありがとうございます! (2020年5月3日 10時) (レス) id: b67c3bf95a (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2020年5月3日 3時) (レス) id: 2782a43946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2020年2月23日 11時