ツイステ答えを見つけて考えた結論は (ページ10)

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失ってもページ10

何気ない日常、変わらない日常。それは良い意味でも悪い意味でもあった。

大事な三つの星(親愛なる人達)を失った。
あえて星にしたのは誰かを庇って失う、キリスト教で言う献身的愛(アガペー)そのものであるからだ。
二つは女性であり交通事故で失ったが、最後の一つは男性で事故で失ったのではない。

大学生時代に暗い瞬間を見た。

光が、征(ただし)が男に鉈(なた)で切られている瞬間を見た。
その瞬間に俺の中の何かが変わった。失うと感じたからだ。

思うよりも先に走って、男を引っ張って拘束する。
殆ど条件反射だった。

征の方へ向かう。
傷は酷かった。腹は真っ直ぐに赤い線を大量に深く刻まれて、水音と水流はじわじわと勢いを失っていく。

焦りに近い感情の中でも冷静に終わってしまうと思った。
思わず俺はしゃがんだ。
征を思っての行動か、単に喪失感での行動かは今でも分からない。

震えた顔をしていただろう。
征は俺の頬に手を当てて、少し困ったような寂しいような表情をした。
口から漏れる赤が体の限界を表していた。

それでも征はいつもと同じ優しい笑顔で口を開いた。

『★★★★★』

たった五文字

声は出ていないのに、大きな祝福の意味を放った。
まるで征が魔法使いのように、放たれた言葉が無数の星のように俺を覆った。

それだけを伝えた後に征は手を離して眠りに堕(お)ちた。

時間は過ぎても、死んでも、その祝福は俺にしっかりとついている。
征の言葉(魔法)が滅びずにこうして光続けている。

俺の隣に征はいない。でも…孤独感はない。征が俺にくれたように、俺も友人に送る。

断ち切らなきゃ、少しだけでもいいから。もう苦しまなくてもいい、悲しまなくてもいい、至福を求めて俺は友達を作って…

古い過去をまるで童話を読みきったように閉じた。
目の前で人をナイフで背後から刺した者、顔を青ざめるグレーゴールを見て、人間臭いなと思う。
金色に輝く花に近づけていたライターを離して火を消す。

あの時、もしも征が生き返れるなら、その時の俺は間違いなく金色に輝く花を使っていただろう。
でも…

ゴーテルが大事な二人の姉を救うべく人を犠牲にしてまでやった。俺は交通事故で失った姉、義姉と征をゴーテルと同じようにやれるのだろうか。
分からないけど

背中を押されて『いけ。』と三人に言われた。
その応援があったから、俺は妻子と幸せになれた。