ケーキパーティ2 ページ31
ケーキがテーブルから落ちて唯のパンとクリームの塊になってアリの餌となった。
もったいねーな。
急に俺を抱いて座ったままのグレーゴールはじっとしている。
とにかくこの荒れた現場を何とかする為に動きたいが腕は拘束状態のため無理だ。
グレーゴールはそっと柔らかい声を出した。
そして今まで聞いた中で心にくるような言葉を使う。
「貴方が好き。他の誰よりも一番好き。」
今世で家族以外で言われたのはこれが初めてだ。
温かい気持ちになり俺も同じように言って返す。
グレーゴールはティシュで丁寧に顔に付いたクリームを拭き取る。
「また此処に来てくれるかい?」
不安気にそう聞かれたが、俺は同意する。
グレーゴールは微笑み、俺の横髪を羽のように持ち上げてキスをする。
「私の事は気軽にお父様と呼んでくれ。」
雨に濡れた黒くしっとりした雰囲気の美人にそう言われるとちょっと緊張する。
内心照れながらも頷いた。
俺はまた会ったら会話しようと、ルンルンした気分で帰る。
グレーゴールはAが去り切った後に黒い瞳を冷たく据わらせる。
「私と同じように生きないのか。」
誰か…
グレーゴールは悩むように頭を両手で抱えて「こちらに誘導して
しかし、墓を見た途端に微笑み
「ああ、でも
と腹黒い心を出した。
Aはいつグレーゴールの正体に気づくのか。
一方グロウは闇を感じた。
「嵐がくるかもしれない。」
何となくだが、そうグロウは思った。
危険度★★★★☆
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たろ。(プロフ) - パ、パ、パ、パパぁ!!!!! (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/be moon
作成日時:2021年11月28日 19時