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ヘビになる者 ページ18

Aがスイカを見ていたから食べたいのだろうか。
一つ買うと目隠しをして木の棒を持つ。
俺は急な事に驚き固まり「何をしようとしている?」と聞けば「スイカ割り」と淡々と言った。
カリムは「面白そうだな」と呑気に言ってる。
「普通に包丁で切れば良くないか?」と言えばAは木の棒を置いて脇に差していた刀を手にした。…そう言う事じゃないんだが。

熱砂で有名な刀だ。
刀を振り下ろした。スイカは真っ二つに切れた。
目隠しを上げてスイカが切れたのを確認すると、カリムは感極まった声を上げる。
俺は自身の腹を隠して誘導するのは得意だが、Aは常に腹を表に出さない顔をしているから誘導しようにもできない。
Aは「元から表情があまり変わらない」と言った。
せいぜい出来るのは眉程度。
しかし、彼は堅い性格よりも独特な性格が当てはまる。
生真面目なヤツのように見えるが、話をして見ると意外と悪くない。


「力を表に出さない方が良い時がある。」
何故だと聞くと「劣等感を刺激してしまえば嫉妬(ヘビ)を起こす。」と言う。
「ヘビ?」
Aは「レヴィアタンの事ですよ。」と旧約聖書を開き、黒く大きな鱗のヘビを見せた。
「捻れた」「渦を巻いた」と言う意味通りの名前を持つのに相応しい。
A「レヴィは嫉妬を司る大悪魔で性格は冷酷無情。誇示すれば嫉妬が、レヴィが起きて炎を吐く。
物語に出てくるコブラのように。」
「カリムは例外だが」と付け足すようにAは言った。

「ジャミル、君はカリムを疎ましく思っているだろう。」
当たり前だ、アイツさえいなければ俺は…
「それが嫉妬だ。」と心を開くように言った。

「君は常に不自由で、自由なカリムを憎く思っていた。立場が違えばこの事は起きなかったのに、主人の察しが良ければ変化が起きたのに。
…ジャミル、君は恵まれていなかった。でも、カリムのせいではない。親の頭が固いせいだ。君は親の言う事に従順過ぎたんだ。」
頭に手を置かれる。

「よく最後まで嫉妬(ヘビ)を起こさなかった。頑張ったな。」

褒められた、初めて実力の方ではなく精神の方で。
馴染みのない雲のようなふわふわするような感情が襲ってくる。

カリム「ジャミルとは友達だぜ。」
「違う。」
A「俺とは?」
「良いぞ。」
カリム「ええ〜!」

A主従の件は俺のせいで騒がせたから、お詫びとして君の三つの願いを叶えよう。

最初の願いは自由だ。
後二つかとほくそ笑む。

グロウの苦労→←従者の熟慮とは



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設定タグ:転生 , 救済   
作品ジャンル:ファンタジー
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たろ。(プロフ) - パ、パ、パ、パパぁ!!!!! (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/be moon  
作成日時:2021年11月28日 19時

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