【歌い手】ヤンキー少女、拾いました。【luz】 (ページ11)

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第9話ページ11

luz.side

l「お風呂から上がったらおらんから、びっくりしたんやで？」

「ごめん…なさい…」

あの後、翔太の家が1番近いからと、全員で翔太の家に来た。

天「光君、まふが助けられたのは事実だから、今回は大目に見てあげてよ。」

僕は、怒りたいわけやない…。

そ「光。焦んな。」

彼方さんは察したらしく、そう言ってくれた。

l「そう…ですね…。」

部屋の隅でうずくまるAを、夏目が背中をさすってあげていた。

天「とりあえず今日は、僕が看病しておくから、みんな帰ろうか。」

そ「俺もいるよ。」

96「あたしは打ち合わせがあるから…」

l「A、帰ろ？」

Aに近寄り、手を差し出した。

昨日みたいにその手を取ってくれて、家に帰った。

帰り道は、お互いなにも言わなかった。

l「A、おいで？」

「お風呂に…入らないと…」

l「ええから…」

立った状態で、Aに向かって両手を広げる。

さほどゆっくりではあったが、ちゃんと来てくれた。

ぎゅうっとAを抱きしめた…。

「光…離して…」

l「嫌や。離さん。」

「離してって。」

l「離さんよ。何があっても、君を離さん。」

君が僕を嫌いになっても、君がこの家を出ていこうとしても、

何をしてでも止めるから…

「私は…汚れてる！」

l「充分綺麗や。」

「私の手は、血で染まってる…」

l「染まっとらん。」

「私は…愛されない存在…ｯ…」

l「どないして？」

「家族が死んだなんて嘘だ…。暴力を振るわれてた…。私は、10歳の時に、あのトンネルに捨てられた…。今まで、必死に…必死に生きてきた…ｯ…。なのに…光は…どうして私に…優しくするんだ…」

泣いとる…。

やっと…泣いてくれた…。

たった2日しか経っとらんけど、ずっと泣くことを知らない赤子のようだった。

l「愛されない存在やないよ。」

「そんなわけない！」

l「ある！Aが気づいてないだけや！たった2日しか過ごしてないんや…気づかんのも当たり前。せやから、これからみんなと気づいて行こう？」

「うぅ…」

この子は、本当に充分なくらいに綺麗で、真っ直ぐで、ホンマに可愛ええ…。

頑張って、気づかせて行かんとな。

ちゃんと愛されとること。

僕だって、たった2日やけど、君を心から愛しとるんよ…。

その愛が、恋として大きな木になるんはまだ先の話やけどな…。
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これすぐに付き合うパティーンだ…

やっべ←