【歌い手】俺の恋人は…。【男主】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:92,244 hit

第35話ページ3

まふまふside

い、い、言ってしまったぁあああああ！！

あ、で、でも無意識だから！(多分)

天「まふがそう言うならここにいるけど。」

ま「や、やっぱり…いい。」

天「ねぇ、まふは…僕のこと好き？」

好きか嫌いかなんて…そんなの…

ま「分かんないよ…ｯ…」

天「まふ、ごめん。」

ま「え？」

俯いていた顔をクイッと上げられ、口を塞がれる。

ま「ちょ！んっ！！」

天「嫌なら逃げて？」

そう言った瞬間に、舌が入ってきた。

口内を掻き乱される…。

ま「んっ！んんっ！んぁ！ふ、ぅあっ！」

逃げられるわけない…こんなの…。

女の子と何回もしたキスとは全然違う…。

意識ごと全部呑まれて…頭が真っ白になる…何も考えられない。

抵抗していた手も、やがて力が入らなくなり下にストンと落ちる。

男に…ましてや友達に、口内を掻き乱されて、気持ちいいなんて…感じてしまうなんて…。

怖くて…嫌われるのが怖くて…。

天「はっ…。」

やっと離されて、酸素を吸うために息が上がる。

天「まふ、今凄くエrい顔してる。」

ま「ｯ…」

バッと顔を下に向けるが、天月の手で戻される。

ま「どうして…どうして僕が好きなの？」

天「僕が小さい頃、まふに会った時に、一目惚れした…。」

あ、あんな小さい頃のことよく覚えてるな！

言うて天月が4・5歳の時だったはずだけど！？

ま「僕は…覚えてない…」

嘘ですめっちゃ鮮明に覚えてます…。

天「僕も聞くけど、どうしてさっき逃げなかったの？」

ま「ｯ…！」

逃げれるわけないんだって…何も…考えれなかったんだから…。

天「…ねぇ、まふ…」

ま「な、なに…」

天「好き。」

ﾄﾞｷﾝｯと胸が高鳴る。

違う。こんなの違う…。ただ慣れてないから鼓動がうるさいだけだ…。

でも、無理とか、ごめんとか…そう言う否定のことばが出ない…。

ま「ぼ…くは…」

天月のまっすぐ僕を見る目が…とても力強くて直視できない。

ま「ごめん…まだ…待って…。」

天「うん！」

なんで…断れなかったんだろ…。

もう気持ちが複雑すぎて分かんないよ…。

きっと、僕は病気なんだ。

病気の名前が分からなくて、体が怯えてるだけだ。

分からないから…身体が恋なんて錯覚してるだけなんだ。

僕が天月を好きなんて、そんなのダメなんだ。

天月はきっと、誰かと勘違いしてるんだ。

そう思った瞬間に、心がズキズキと痛んだのも…きっと、気のせいだ。