【歌い手】俺の恋人は…。【男主】 (ページ13)

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第43話ページ13

ピーンポーン

と、光と満の件が終わってから数日した今日、不意にインターフォンが鳴った。

インターフォンの画面を見ると、数日前のﾓﾌﾞｺｫが立っていた。

ドアを開け、その人物の存在を確認する。

「待て。なんでいんの？」

ﾓﾌﾞｺｫ「私ィ、貴方のぉ、彼女にぃ、なりまぁす！」

「却下。帰れ。薄汚ねぇ雌豚が。」

そ「おはよ～…。何騒いで…」

「おはよ。」

そ「・・・浮気？」

「違うから。」

ほら、浮気って勘違いされるじゃん。さっさと帰れよ。

ﾓﾌﾞｺｫ「私ィ、この人のぉ、彼女でぇす」

そ「:( ＃´°ω°` ):ｲﾗｯ」

あ、今顔に出た。顔に出たよ！

そ「申し訳ないが、コイツには可愛い可愛い嫁がいるのでお引き取りください。」

今、嫁って言った？ねぇ。今嫁って言ったよね？

ﾓﾌﾞｺｫ「どこに居んのよォ」

そ「お前の目の前にいるんだよ！」

ﾓﾌﾞｺｫ「はぁ！？同性愛とか、証拠見せなさいよォ！」

すると、彼方は俺の胸ぐらを掴んでキスをした。

そ「これで分かったか！二度と来んな！」

ドアをバダンと閉め、鍵も閉める彼方…。

待って…可愛い…。

「かーなーたｯ♪」

リビングに戻り、彼方の後ろから抱きつく。

「さっきはずいぶんと可愛かったね？」

そ「うぐｯ…///」

「ねぇ、結婚しよ…？」

そ「いやいやいやいや、同性で結婚無理だから。」

「人間は…ね？ほらほら～、俺吸血鬼だよ～ん？」

そ「で、できるの？」

まじまじと聞いてくる彼方に、俺は満面の笑みで頷く。

そ「えっ、あっ…///」

「あ、一ノ瀬彼方から、眞島彼方になるんだね。」

そ「い、言わなくて良いから…///」

「照れちゃってか～わい～！」

そ「う、うるさいｯ！」

俺の顔を叩こうとするが、俺はその手をあっさり避ける。

「それに子供も欲しいし～」

そ「な、なんか…ごめん…」

あからさまに悲しい顔をする彼方。

そ「やっぱり、子供とか…欲しくなっちゃうよね…。俺、男だから…」

「待って待って。俺吸血鬼だから。」

そ「チートかよ。」

「解釈早いな。」

そ「え、でも、産めるかな…。」

「大丈夫大丈夫。彼方なら、大丈夫。」

ギュッと抱きしめて、背中を撫でる。

俺の背中にも、彼方の腕が回って来た。

結婚…。

彼方に言ってないけど、吸血鬼と結婚って、そんなに簡単じゃないんだよな…。

彼方を傷付けてしまう可能性だって、あるんだから…。

そこはちゃんと話し合わねぇとな…。