5話 ページ5
という訳で。病院に着きました。いやぁ診察券あって良かった良かった。しかも家から近いし。
中に入ると、これは雰囲気がいい。落ち着いている。先生は女性でしかも私の話をよく聞いてくれる。意外と精神科にこういう人いないんだよなあ。試しに自分がトリップしてしまったかもしれないという話をしたら愛想笑いをされた。薬は増やされた。パァぁ。
待合室に戻ると、よく知っている人物が座っていた。
ーーーーーマダオだ。
ええええええ。マダオってメンタルクリニック通ってんの！？何で！？いやいや耐えられん。私が耐えられん。あんな皆んなから弄られてるキャラが実は鬱になってましたとか。そんな裏設定あったとか。キッツイって。笑えないって。え、これからどんな目で見たらいいの？？
「ちょっとお嬢さん。なんかこっち見ながら百面相しないでくれる？」
ひえっ、話しかけてきやがった。
『す、すみません。あんな愛され(弄られ)キャラに実はこんな裏設定あったとか…知らなくて…』
「やめてくれる？やめてくれる？？こっち見ながら勝手に憐れむのやめてくれる？？？あと、ちょっと顔青ざめるのもやめて！なんか凄い悲しくなってくるから！」
『ほんと、すいません。もう二度と弄りません。今まで好き勝手弄ってすみませんでした。あー考えれば考える程鬱になってきた。』
「やめて！まだ何も喋ってないのに勝手に落ち込むのやめて！おじさんも鬱になっちゃう！二度と治らない傷負っちゃいそう！！」
マダオは涙目だ。もうやめておこう。これ以上関わるの辞めておこう。私もう立ち直れなくなりそう。
「それおじさんのセリフぅぅぅ！」
『ではマダオさん、さよなら。』
「結局マダオって言っちゃったよこの人！！」
会計を済ませて、すぐに病院から逃げた。
忘れよう。さっきの事は。きっと見ちゃいけなかったんだ。
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作者名：ケサランパサラン | 作成日時：2023年8月18日 4時
