89 孝行か不孝か ページ39
グズマはというと、腕を組んだまま、駆け寄ってきたAを舐めるように見ていた。
「ブッ壊してもブッ壊しても、手を緩めなくて嫌われるグズマ様がここに居るぜ。」
立ち塞がった下っ端たちのポケモンを一撃で仕留めてしまったらしいヨウとハウも、グラジオたちの側まで来て、まさか、という表情になっていった。
「そこのおぼっちゃんはオレ様が壊してやったよ。家を飛び出し・・・強くなりたいって、スカル団に来たりしてよ、それなりに気に入ってたがよ。生みの親に逆らうなんて、親不孝にも程がある。」
ヨウとハウは、そんな背景があったのかと、やるせない表情のグラジオを見ていた。
痛いところを突くような言葉でもある。グラジオの起こした脱走事件が、身勝手だと言われれば肯定される要素もある。
しかしAにとっては、ヌルと共にこの場所を飛び出したグラジオが、ただの親不孝であるとは思えず、俯きながら、小さく抗議した。
「・・・親不孝なんかじゃない・・・。」
あのときのグラジオは、大人たちに、今一度考えて欲しかったのだ、と思いたかった。
表に晒されない場所で、エーテル財団の看板を背負う者たちが、愛情を注ぐべきポケモンたちを、どうしているのか・・・この実態が、ルザミーネにとって、財団職員たちにとって、正しいことであるのか。
『ヌルを連れて家を出たこと、深くお詫びします。
ですが、これが皆のためなのです。』
グラジオが母へ宛てた手紙に綴っていた、あの一言。
本当に親不孝者であるなら、そんなことを書いたりは出来ない。
「オレたちは代表やリーリエに会わなくちゃいけない。グラジオが負けたのなら、次はオレが相手だ。勝ったら、そこを通してもらうからな。」
ヨウとガオガエンが、グラジオたちとグズマの間に割り込み、勝負しろとグズマを睨んだ。
グズマはヨウを見下し、顔付きを変えずに罵る。
「お前、本当にバカだよな。財団とは何も関係無えのに首突っ込むなんてよ！お前が煙たいのは、振り払ってもまとわり付くからだ。火元から消さねえとな！」
バトルが始まろうとしている。
「グラジオ、ヌルをモンスターボールに戻して・・・？」
この場に留まっていては、戦火に巻き込まれていまう。
グラジオはAに促され、目を瞑り、重く自分の力では運べないヌルを、一旦モンスターボールに戻した。
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カーター(プロフ) - 物部さん» 初めまして！ご感想ありがとうございます！戦闘シーンの文を褒めていただけるのは初めてでとても嬉しいです！文字だけでどれだけバトルの臨場感を表せるか、書き手としてもバトルしています！難しい場面ですが、続きの更新も頑張ります！ (2017年2月10日 23時) (
レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 初めまして。戦闘シーンも綺麗な文ですね。続き楽しみにしています！ (2017年2月10日 23時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - 真季さん» ご感想ありがとうございます！あんな感じで良かったでしょうか、自分では考えていない展開だったので、小説の世界を広げられるアイディアをいただけてとても嬉しかったです！続きも先程UPしましたので是非お楽しみください！モーテルの方も更新頑張ります！ (2017年2月6日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
真季 - ピジョンの進化シーンいれて頂けて嬉しかったです！ありがとうございます。カーターさんの作品、モーテルパラダイスも楽しく読ませて頂いています！最新頑張って下さい(*^^*) (2017年2月6日 21時) (レス) id: b95c01deac (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - 真季さん» 今後の展開のリクエストにつきまして、実は次回から最終話直前までの下書きがまだゼロなので←！ 実現可能かこの場での明言は避けますが、勿論！試作検討してみます！万一ご希望に添えなかったらごめんなさい…！貴重なご意見ありがとうございます！ (2017年1月24日 22時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カーター | 作成日時：2017年1月13日 17時
