53日目。 ページ15
ドアの向こうから微かに声が聞こえた。
「……ここか?今回の部屋は」
随分といかめしいおじさまの声だ。もしかしたら、いや、ほぼ百パーセントこれがイルミのお父さんの声だろう。
考えながらも必死に集中して気配を消す。
――絶。
いくらヒソカさんがいるとはいえ、情報屋である私が、伝説の暗殺者にかなうわけがないのだ。絶が解けたらそれこそ終わり。
カチャリ、小さく鍵のひらく音がする。
どうやら、隣の部屋がイルミのお父さんの部屋らしい。これなんて冗談?
ヒソカさんも同じようなことを思ったらしく、困ったような表情で肩をすくめた。
「隣の部屋はイルミがとっているのか」
「はい。今はお仕事で留守にされていますが」
ひえっ、そんなところまでバレてるの?!
間違ってもこの部屋に入ってこないでくださいね、頼むから!
暗殺者らしく、隣の部屋からは足音が全くしない。しかし、プルル、とかすかに聞こえる音で、電話をかけていることは何となくわかった。
おそらく同業者だ。
「うむ……何、店にいないだと」
一気に緊張が高まる。
まずい、本格的にまずい。
「なるほど、了解した。そちらは引き続き周辺の情報を探ってくれ」
プツン。
お父上からの一方的な宣言で電話が切れたようだ。
「それにしても、イルミに渡しておくようにとキキョウから弁当を預かっているんだ」
えっ、弁当?
「隣の部屋だというなら丁度良い。置いてきてくれ」
「かしこまりました」
……は?
流石のヒソカさんも息を飲んでいる。
待って?待って??
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バナナ - とっても最高でした!!有難うございます!!更新待ってます!! (2022年9月20日 2時) (レス) id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - 孤歌さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです……!これからもよろしくお願いします! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
どらやき(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます!ぜひ続編でもお付き合いいただけると嬉しいです! (2018年7月3日 23時) (レス) id: a2747e3aed (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - 初めまして凄く面白いですね!更新待ってます(゜∇^d)!! (2018年7月1日 15時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 一言で言うとやばすぎますね (2018年6月24日 20時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どらやき | 作成日時:2016年1月24日 18時