Carino Chien.

貴方side ページ6

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『ごめん、待って。あのさ、まだ私…』
「うん。昨日もそうだったよ」
『え？』







彼氏と別れてないから、と断るつもりだったんだけど。

眉間に皺を寄せて怒るわけでもなく、
ホッとしたような顔の彼を見て言葉が詰まった。






「俺の家行くって言うからさ、する？って聞いたら、まだ彼氏と別れてないからダメって。向こうと同じになるから嫌！って。」
『全然覚えてない…』
「でもそこはしっかりしてるじゃん。」






そういうとこ好きだよ、って耳元で囁かれる。
それと同時にきゅうって胸が締め付けられた。

え、なに。

なんで、心臓早くなってんの。








「でも、彼氏と別れたら俺としてくれるって事でいいんだよね」
『え！いや！それは…』







慌てた私に、彼は嘘だよってケタケタ笑う。
そんなすぐにヤろうと思ってねー。って。



……でもまぁ、興味あるって言われた男の家にノコノコと上がってる時点でいいですよって言ってるようなもんだよね。

…もう、何してんの私、









『本当にごめんなさい。色々と迷惑をかけてしまって』
「貸し1じゃ足んないかもねー」
『いやもう本当、なんでも言うこと聞きます』








貸し10くらい作ってるから、君に。
だから言うこと聞きます。

してほしいことあれば。


そういうと目をぱちぱちさせて
ぶは！と笑った彼。







「真剣過ぎておもろいわ」
『えぇ？』






だってそれが仁義ってもんじゃない？
人に何かされたら返すのがあたりまえじゃん。

朝から笑ったーとお腹を撫でた彼は









「じゃあさ、彼氏と別れたらまた会ってくれる？」
『はい？』









それが貸し1のお返し、らしい。







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