貴方side ページ5
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私の記憶があるのはそこまで。
意識を取り戻した時には、ベッドの中だった。
しかも知らないベッド。
フカフカで何度寝返りをうっても落ちないくらい広い…
『え?』
「…………んん」
横には、昨日喋った青年。
上裸……いや、まさか。
掛け布団をガバッと開ける……あ、大丈夫だ。
私、服着てる。
多分、彼のスウェットだろう。いつのまに?
あの後から全然思い出せないし、頭痛いし、気持ち悪い。
シャワー浴びたいし、歯磨きもしたいのに。
ここが彼の家だと気づいた瞬間、やっちまった…とばかり。どんだけ迷惑かけてんのよ……
まだスヤスヤと眠る彼に黙って家を出た方がいい?
朝ごはんくらい作り置きしてあげたほうがいい?
いや、やりすぎ?
てかまず、頭痛すぎて何もやる気にならないんだけど。
「あれ……A」
『え……』
起きたのー?と掠れた声で言う彼に驚く。
名前……なんで知ってるの?
昨日、ずっとおねーさん、って言われてたはずだし、教えた記憶もないけど。
『名前、』
「え?」
『なんで私の名前……』
知ってるの?と聞こうとした時、
大袈裟に彼が、え?記憶無くしてんの?と顔を覆った。
「俺が聞いたらAって呼んでって。え、まって、まさか!俺の名前忘れてんじゃ……」
『……すいません』
「まじかよ」
えー、といいながら大あくび。
「どこまで覚えてんの?」
『え……っと………』
頑張って辿っていっても、あの時まで。
見たことあるよーな顔だなって思った所まで。
「じゃあ、俺の必死な介抱を覚えてないと」
『………すみません』
「ベロベロになって、その後また自分のこと責め出して、泣きじゃくってたのは?」
『覚えておりません』
てか、私そんなことになってたの?
自分で言うのもあれだけど、ベロベロになったり泣きじゃくったりするような人じゃないんだけどな。
気づいたらベッドの上で正座してたよ私。
怒られるの覚悟で、土下座しようと手を前に出したらパッと握られて
『え!?……え!』
「貸し1ね」
ぐっと引っ張られて、彼の胸にダイブ
片方の手で支えたら顔を近づけられた。
『まって』
今、危なかった。
流されそうになった。
だけど、ここで彼とキスしてしまったら
私は俊と一緒になる。
そんなの、絶対に嫌。
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蝶-アゲハ-(プロフ) - なつみさん» はじめまして!コメントありがとうございます!私の作品にたどり着き、読んでくださって嬉しいですう!他のも是非読んでください〜(^з^)- (2021年3月14日 21時) (レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - はじめまして!アゲハさんの作品初めて読ませていただきました!可愛い犬な慎ちゃん最高でした!わら (2021年3月14日 21時) (レス) id: 6c81062883 (このIDを非表示/違反報告)
蝶-アゲハ-(プロフ) - さつきさん» はじめまして!コメントありがとうございます!ホントですか泣嬉しすぎる滝。ツイッターありがとうございます!番外編楽しみに待っててください(´ε` ) (2021年3月14日 19時) (レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
蝶-アゲハ-(プロフ) - つばささん» つばさ様!どうもどうも!頻繁にコメントしてくださるのはとても嬉しいです(^-^)ありがとうございます!次回もうずキュンからの甘々でいきたいとおもいまっす( ̄▽ ̄)ニヤリッ (2021年3月14日 19時) (レス) id: 7d431f17aa (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - はじめまして!完結お疲れ様です!アゲハさんの書く慎ちゃんの作品とても好きです(//∇//)このお話もいつも更新されるの楽しみにしていました^ ^Twitterもフォローさせて頂いたので番外編も楽しみにしています!! (2021年3月14日 13時) (レス) id: 3125899134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶−アゲハ− | 作成日時:2021年1月22日 0時