従兄弟の方のキム

ねぇ、ジミンくん ページ2

あの日から1週間が経った

ダンスや歌の練習を共にしていくうちに少しずつ打ち解けてきた

でも、やっぱり距離というかなんというか

特に僕はいきなりの移動だったから前のチームのこともある

顔を出せない日がつづいたりして実質4日しか行けてない

兄さんにすがってしまうのもよくないと思って頑張ってるんだけど、やっぱり辛いんだよね

戻ってこいとか言われるし

僕はこっちに移動したんだって言っても頷いてくれない

僕だって前のチームも好きなのに

俺らのこと嫌いになったのか、だって

つい、そんなわけないじゃんって怒鳴っちゃった

そのあと、ハッとしてごめんって謝って逃げてきちゃった

呼び止める声も無視して


「顔暗いぞ」


ダンス練習の休憩中、頭にタオルがかぶせられる

振り向くと、ジニヒョンが笑顔で立っていた

床に座っている僕の横にしゃがんで、顔を覗き込まれる


「ちょっといざこざがありまして」

「ちょっとじゃないだろ、その顔は」


タオル越しに頭を撫でられて、ハグされた


「大丈夫。言ってみ？」


耳元で優しい声がした

昔からジニヒョンは優しかった

前のチームのみんなが戻ってこいと言っていること

断ったら嫌いなのかと疑われたこと

大好きだって伝わっていなかったこと

怒鳴ってしまったこと

全て話した

するとジニヒョンは頑張ったなって言ってくれた

ずっとハグされたまま

昔を思い出しちゃって、ツンと鼻が痛くなった


「ありがと、ジニヒョン」


ハグを解いて、正面からお礼を言う


「いい笑顔だな」


頭を撫でてくれるジニヒョン

やっと周りが見えた気がする

今までずっと自分のことにしか気が回らなかったから

そのおかげで気づいたことがある

ここ、練習室

休憩が終わって戻ってきた人がひとり


「ジニヒョン…ありがたいけど見られてますよ」

「…あ」


やっちゃったなと2人して笑った

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