第7話 ページ7
頭がクラクラしてくる。
駅のホーム。帰宅ラッシュで大勢の人間の音がたくさん聞こえてくる。
雑音で耳の奥が痛くなって、耳を塞いだ。
俺、自分でも____俺はどうかしてると思うよ。
A……お前のことになったらさ。いつもどんなときでも本気だし。もう何年も四六時中、お前のことしか考えられないんだ。
いつからか自覚してた。俺がAに対して異常に執着してしまってることに。
…心が、ひどく歪んでしまっていることに。
Aが危ない目に合うといけないから、だなんて自分の中で言い訳をして。
すぐにカナヲちゃんに教えてもらった居酒屋に行くために電車に乗った。
・
「……ここか」
店に着いた。
見たところ、どこにでもありそうな普通の居酒屋だった。
…1人でこんな店に入ってどうするんだ、と思いながらも足を止めずに店の中に入る。
……A、いるといいんだけど。
「いらっしゃいませ!何名様でしょうか〜?」
店に入るなり、従業員の女の人がこちらに近寄ってきた。
「…1人です」
俺が静かに言うと、従業員の女の人は少し気まずそうに笑って、「こちらにどうぞ」といって席へ案内した。
「……っ!」
Aがいた。なかなか近い距離だったので、慌ててバレないよう奥の椅子に座る。
「あっははは!え、それまじ?アカリちゃん!」
下品でうるさい男の声。その男に返事をする甲高い声のアカリという女の子。
そしてあと2人男がいて、もう1人の女の子と___愛想笑いをしてるA。
……ストーリーで見た通りの光景で、思わずイライラしてしまう。
ぐっと怒りを沈めて、当たり障りのない烏龍茶と、すぐに出てきそうな枝豆と刺身を注文した。
・
刺身をつまみながら聞き耳を立て、様子を伺う俺。バレないと確信してからは、堂々とAたちのほうをじっと見張っていた。
「Aちゃーん。飲んでる〜?」
「大丈夫ー?ぼーっとしちゃってたけど」
……ミカとアカリというらしい女の子2人。大学で顔は見たことがあった。
2人して、Aの顔を覗き込んでいた。
……!A、酔ってるのか…?
飲んでるよ、とちゃんと返事をするA。
…明らかに酔ってるAが可愛くて、少しキュンとしてしまったけど、見張りを続ける。
「いや全然飲んでないでしょ!Aちゃんもっと飲もうよ〜♡ね?かんぱーい!」
……あの目障りなカスはどうしようか。
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咲華(ipad)(プロフ) - あぁぁぁぁぁぁぁッ、もう本当に最高ですね!!番外編で無事召されました(( 本当にこれからも応援してます!!無理しないで更新頑張って下さいね! (2021年4月2日 19時) (レス) id: 6c90de1c69 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア☆姉貴 - しがれっとさん» しがれっとさん、お久しぶりです!!!!(^ω^)(^o^)v(*^^*)シルバーウルフからシルビア☆姉貴に改名しました!!!!しがれっとさんの親戚・知り合いとかに彼女募集中の独身男性は居ないですよね!?(?_?)もし居たら紹介して欲しいです!!!!本当にお願いします!! (2021年3月24日 1時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まかろーーーーーーん - とても面白い!・∀・更新頑張ってください!! (2021年3月23日 21時) (レス) id: 463e4d97f0 (このIDを非表示/違反報告)
しがれっと(プロフ) - 七楽さん» コメントありがとうございます!ほんとですか!?そう言ってもらえて嬉しいです!!もっときゅんきゅんさせられるように頑張りますね! (2021年2月18日 17時) (レス) id: 1f8c33c3c2 (このIDを非表示/違反報告)
七楽 - ウワァァァ善逸カッコイィぃ(悶え)すっごく良かったです!! (2021年2月16日 18時) (レス) id: 40ff050674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しがれっと | 作成日時:2020年12月12日 14時