クリスマスの日に５ ページ48
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爆豪の選択は『寮に戻る』だった。
就寝時間に近い深夜。
爆豪父が運転する車に乗せてもらって、学校まで送ってもらった。
「ありがとございました。……ほら、勝己くんも」
「……ふン」
「もう」
学校の門の前でAはお礼を言う。
爆豪にも催促したが期待した反応は得られなかった。
「勝己、しばらく激しい運動は禁止って言われてるの、忘れてないわよね？」
「……けっ」
爆豪母は車の中から注意するが、爆豪の返事は適当なものだった。
そんな態度に安心できるわけもなく、次にAへと視線を向ける。
「……Aちゃん、ちゃんと見張っててね」
「はい」
了解しました、と頷くと隣から小さく舌打ちが聞こえた。
これは人目を盗んで訓練するつもりだ。
しっかり見張っておかなくては。
不機嫌な顔の爆豪と並んで車を見送った。
冷たい空気にさらされて、口から出る息が白いものへと変わる。
「爆豪君、寒いでしょ。暖めてあげるね」
「ん」
そのまま救急車に乗って病院へ行ったので、２人はコートなどの防寒具を身につけていない。
爆豪夫妻に「大丈夫？」と心配されたが、Aの個性でカバーできるので問題ないと伝えてある。
その言葉通り、Aは体を寄せて爆豪の腕にくっついて個性を発動させた。
「クリスマス……なのにね」
「あ？」
寮への道を歩きながらAは呟いた。
視界の中に白いもの落ちてきた。
「ねぇ、勝己君。どうしてもプロヒーローじゃないとダメ？」
「は？」
落ちてくる雪を手で受け止めて、Aは問いかける。
「……何が言いてーんだよ」
爆豪は訝し気に眉を歪めて質問の意味を探った。
しかしその表情からは何も読み取れなかったので、Aが続きを話すのを待つ。
「クリスマスとか、誕生日とか……一緒に過ごせないのはいいの」
「……」
「でも、命に関わるような大きな怪我をしたりとか、もう生きて会えないなんてことになったら……」
「信じろ」
「え？」
爆豪は立ち止まり、不安に震えるAの体を強く抱きしめた。
「俺はそう簡単に死んだりしねぇ」
「……」
「絶対に」
爆豪は強く囁く。
エンデヴァーが脳無に怪我を負わされてから、ヒーローという職業が不安で不安で仕方がなかった。
──……でも、この言葉を、この人を信じよう。
「……絶対、だよ」
「ああ」
ある雪の降るクリスマスの夜。
誓いを立てるように２人は静かにキスを交わした。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
