クリスマスの日に３ ページ46
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残念ながらリカバリーガールは不在で、都内の病院にいるとのこと。
爆豪は治療のため、救急車で病院へ運ばれることとなった。
Aは担架に寝かされて救急車に乗せられる爆豪を、涙で滲んだ視界の中で見つめていた。
後に続いて乗り込もうとする相澤が振り向いて手招く。
「轟妹、お前も一緒に来い」
「え？ でも……」
身内でもないのに。
戸惑っていると焦凍が背中を軽く叩いた。
「お前以外に誰が爆豪をコントロールできるんだ。行ってこい」
「……うん」
相澤と一緒に救急車に乗って付き添った。
＊＊＊＊
静かな病室。
外は雪が降っていて窓際は心なしか空気が冷たい。
リカバリーガールの個性で治癒してもらった爆豪は、奪われた体力を取り戻すべく眠り続けている。
力の入らない手を両手で握りしめて目を覚ますのを待った。
(はやく、元気になって……)
爆豪の手の甲にキスを落とす。
小さな頃に怪我をした時に焦凍としていた“おまじない”。
誰でもない“自分”が安心するために。
コンコン、と控えめなノックの後に扉が開いた。
「は、はいっ！」
ぱっと顔を上げて来客を見た。
相澤かと思ったが、そこにいたのは連絡を受けて駆けつけた爆豪の両親だった。
「はぁい。久しぶり、Aちゃん」
「やぁ……勝己の様子はどうだい？」
快活に挨拶する母親と穏やかに微笑む父親。
「
Aは思わず２人に駆け寄った。
＊
爆豪のことは爆豪父に任せて、Aは病室の外で爆豪母と向かい合っていた。
「病室にはAちゃんがいるから大丈夫だと思って、先にお医者さんに説明を聞いてたの。ごめんね、任せちゃって」
「いえ。私は、なにも……」
お礼の言葉にふるふると首を振る。
「勝己君が怪我して倒れたって言うのに、なにもできなくて……。むしろ動揺して、怪我人に対して間違った行動を……」
己の行動を省みて体が震える。
試験の救助訓練では完璧だったのに、いざ現実で同じことが……しかも身近な人物に起これば何もできなくなる。
自分の心の弱さに愕然としていると、頭と背中に腕が回されてぎゅっと抱きしめられた。
「それだけあの子のことを大事に思ってくれてるってことでしょ？」
「でも、でも……」
「いいのよ」
頭を撫でる優しい手の感触。
泣き出しそうになるのをぐっと堪える。
「ありがとう、Aちゃん」
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
