いたずらのワケ ページ30
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恋人のキスで魔法が解ける────……なんてロマンチックな展開はない。
爆豪は顔を真っ赤にした癒月──の姿をしたAの手を引いて、職員室に向かった。
「相澤先生」
入室の挨拶もなしに相澤を呼び出した。
「轟妹の件か。それなら調査中──」
「こいつらの人格は入れ替わってねぇ」
「なに？」
何を言い出すんだと、事情を知っている他の先生も爆豪に注目した。
「それはどういうことだ」
「“匂い”だ」
「匂い……だと？」
爆豪は癒月の姿をしたAの肩を引き寄せ、鼻を近づける。
「こいつの体からはAの匂いしかしねぇ」
「ちょ、勝己君、ここ職員室……」
両手で押し返すとすんなりと離れてくれた。
つき合いはじめた当初が嘘のような行動である。
「変わったのは“体”の方だ」
「……なるほど。ちょっと待ってろ」
「え？」
状況を飲み込めないAとは裏腹に、相澤は爆豪の言いたいことを瞬時に理解した。
「相澤先生、それならうちのクラスに心当たりがあります」
「本当ですか」
相澤が尋ねる前に普通科の先生が手を挙げた。
「はい。ここ最近、体調が良くないのか、よく遅刻したり居眠りをしているようで……。もしかしたら“個性持続”の副作用かもしれません」
「では」
「ええ。至急、話を聞いてみます」
普通科の先生は生徒を庇い立てすることもなく、即座に行動に移した。
隠し通されることも覚悟していたが、彼は正義感が強い人物だった。
＊＊＊＊
結果的に言うと、犯人はその生徒で間違いなかった。
芋づる式にAと癒月の気を失わせた犯人も出てきた。
動機は────好きな人に彼女がいた。
ただそれだけ。
犯人の女子生徒それぞれが爆豪、轟に好意を寄せていて、その彼女である２人を許せなかったのだと。
嫉妬心が募り、実行してしまったということだ。
１人は『超音波』を操り、呼び出した２人の気を失わせた。
その隙にもう１人の『変化』で２人の容姿を変化させたのだ。
人格が入れ替わったと錯覚させるように、服まで着替えさせて。
『変化』の個性は対象を見つめながら、変化後の姿を想像することで可能となる。
毎日、個性が切れる前にAと癒月に『変化』をかけ直せばいい。
そうやって“人格が入れ替わったまま、もとに戻らない”と思い込ませていた。
本人曰く「どちらの関係も崩れるまで続けるつもりだった」────と。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
