父親に会いに ページ12
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Aと爆豪は飛行機に搭乗して九州を目指した。
どこのテレビ局もエンデヴァーのニュースで、新聞の内容も同じくエンデヴァー一色だった。
世間にとっては新たなるトップヒーローの大活躍。
しかし身内にとっては気が気じゃない。
勝利の喜びよりも、無事であったことへの安心感の方が強い。
そういう職業だって分かっている。
いつ、何があってもおかしくない。
頭では理解しているが、心まではそう簡単にはコントロールできない。
テレビで中継を見ている時、爆豪は「見るな」とAの目を塞いだ。
彼なりの気遣いだ。
しかし──……、
『ありがとう勝己君。大丈夫……だから、ちゃんと……見ないと』
Aは涙を拭いながら画面を見つめた。
爆豪に抱きしめられながら、父親が勝つ最後まで。
そんな姿を見ていたからか、爆豪は翌日にとるAの行動を読んで待ち伏せていた。
何時から待っていたのかは知らないが、Aよりも早くに寮を出たのは間違いない。
(心配……してくれたんだね)
飛行機での移動中、彼は隣の席でぐすりと眠っていた。
シートに座って本当にすぐに。
Aは起こさないようにそっと指を絡めて手を繋いだ。
＊＊＊＊
九州にある国立病院。
そこに父親が入院していることは、姉の冬美から聞いていた。
姉もまさか妹が九州まで行くとは思っていないだろう。
会話の中でさりげなく訊いたら簡単に教えてくれた。
受付で聞いた病室へと向かう。
通りがかった看護師が気を遣って、「エンデヴァーさんは元気ですよ」と言ってくれたので、少し気持ちが楽になった。
病室がある階のロビー。
Aは立ち止まり、隣にいる爆豪を見上げた。
「え……と、勝己君。どうする……？」
「……」
“どうする？”とはこれからAは父親に会いにいくが、爆豪はどうするか、という意味だ。
身内でもない人間がいきなり病室を訪れるのは不適切だ。
しかもまだ紹介していない娘の彼氏。
お互い気まずいに決まっている。
「きょ、今日のところは私だけで会いにいってくるから……。勝己君は病室の外か別のところで待っててくれる？」
「……おう」
そのうち父親に紹介すると言ったがこのタイミングではない。
爆豪もそれを理解しているのか、Aの言葉に素直に頷いた。
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文月 - 初めまして。すごく素敵な作品でここまで一気に読んでしまいました！！絵もすごく好きです！！！ (2018年9月28日 11時) (
レス) id: 14f4662f66 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉 - リクエスト答えていただきありがとうございます。 (2018年9月16日 15時) (レス) id: efb6f4c834 (このIDを非表示/違反報告)
∞Aria∞(プロフ) - 絵のかっちゃん好きすぎる…夢主可愛すぎる…サイコー…… (2018年8月31日 20時) (レス) id: 77272a15db (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - ほんっとうに絵がお上手ですね！羨ましいです！ (2018年8月31日 0時) (レス) id: 388f25156a (このIDを非表示/違反報告)
瑠依(プロフ) - イラストが変わってるの凄く良いです！カーディガンのシチュも好きです！あとTwitterやってますか？ (2018年8月31日 0時) (レス) id: d76a55fa5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月10日 21時
