雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ33)

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カーディガンページ33

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爆豪が選んだカーディガンはAが悩んでいた色と正反対だった。
オフィスで着るのだから、シックな色が無難だと思っていたのだが……。

(良いのかな。こんな学生丸出しの色で……)

しかし事務所内での評判は良かった。
Aによく似合っているとみんな褒めてくれた。

果たして爆豪はそれを分かって選んだのか、それとも適当に引っ掴んだものなのか。

本人に聞いても「ンなのどーでも良ーだろーが、ボケ！」とはぐらかされるので、真実は闇の中である。

残りの体験期間も何ごともなく終了した。
この一週間、とても充実した日々だった。

授業を休んででも体験に行った甲斐があり、得るものは大きかったとAは満足していた。

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職場体験の翌日、Aは自分のクラスではなくＡ組にいた。
兄の焦凍の右腕にべったりと絡み付いている。

１週間ほとんど会えなかった＋怪我の心配で離れがたい。
緑谷、飯田が話しかけてきてもAはその体勢を崩さなかった。

「Aさん、そのカーディガンよく似合ってるね」
「え？あぁ、うん。ありがとう」

もうすっかり見慣れた双子の風景にＡ組の生徒は何も言わない。
かわりに見慣れないカーディガンを羽織っていることが気になっており、その空気を察した緑谷が話題に上げた。

「そろそろ衣替えだけど、半袖だけだとちょっと肌寒くて……」

気温が高くなって教室にクーラーが入るようになった。
自分で体温調節もできるが、授業に集中したい。

「あ、予鈴が鳴っちゃった……。しばらく焦凍と会えないのかぁ……」

予鈴が鳴り終わった時、ぎゃはははと笑う男子の声が教室内に溢れた。
爆豪が教室に入ってきたのだ────８：２の髪型で。
それはもう遠慮のない一部の男子の大爆笑を招いた。

「おはよう、爆豪君。今日はまだ爆発してないんだね」
「ウッセーわ！！っつーかおめーはとっとと自分の教室帰れ！！」
「むぅ……」

このままでは遅刻になるので、渋々兄から離れて鞄を手に取る。

「じゃあね、焦凍。また次の休み時間に来るね」
「さすがにそれはやめとけ」
「ええ～……、じゃあ、お昼一緒に食べようね」
「あぁ」

休み時間ごとに顔を見に来ようと思ったが、駄目と言われてしまった。

不満顔でお昼に誘ったらＯＫしてもらえたので、Aは「またあとで！」とＡ組の教室を後にした。

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