雪と炎のシンフォニー【倉庫】 (ページ13)

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目の前でひらひらと揺れる深緑色のスカートを見上げてAは固まっていた。
懐かしいという気持ちはすでになく、嫌な予感が脳裏をかすめる。

「な、なんで……？」
「あ？いいから穿けよ」
「や、やだよ！」
「──チッ、んじゃこのままで良いわ」
「え！あ、ちょ──待って待って待って！」

爆豪は難なくAを抱き上げて廊下を歩き出した。
向かう先が寝室であると察して、Aは顔を青褪めさせた。

「な、なにする気！？」
「あ？分かってんだろ？暇だっつーから相手してやろうとしてんじゃねーか」
「そ、そんなつもりで言ったわけじゃ……っ」

爆豪はAのスカートのホックを片手で器用に外し、ファスナーを全開まで降ろした。
Aを抱える腕を持ち替えたタイミングでスカートを床に落とすと、下半身は下着だけの無防備の状態になってしまった。

「勝己君！？まだお昼ですけど！？」
「関係ねぇわ」

寝室に入った爆豪は抱えていたAを容赦なくベッドに放り投げた。
ばふっと柔らかい布団に受け止められ、スプリングが軋む音が部屋に響いた。

「乱暴！もっと優しく扱ってよ！」
「カーディガンの下が白のブラウスだから、スカートさえ脱がしゃ制服着てたみたいにに見えるな」
「……っ、最低！」

文句を言いながら仰向けに寝転ぶAをまじまじと観察する爆豪は、口角を上げて呟いた。

その表情にAは気恥ずかしさを覚える。
卒業してから爆豪とは何度も体を交わらせているが、今日はどこか違う。
爆豪の瞳に宿る熱がいつも以上に獣らしさを帯びていた。

このまま主導権を握らせてはいけないと思い、起き上がろうとするが爆豪が伸し掛かるようにAのベッドに押さえつける方が早かった。

そして、Aの抵抗を物ともせず手に持っていた帯状の布で手早く両手を束ねた。

「ちょっと何これ！」
「アホ面どもが言ってたんだよ。ネクタイで両腕を拘束するシチュエーションは最高だとか」

拘束された手を頭の上に移動させられ、脇を強調する格好になる。
ネクタイのくせにちょっとやそっとじゃ解れそうにない。

「くだらねぇと思っていたが、悪くねぇな」
「か、勝己君の変態！」
「は！本気で抵抗しねえてことはてめーもその気になってるってことだろ？」
「ち……違っ」
「マジで嫌なら個性を使って抵抗しても良かったんだぜ。Aチャン？」
「……ぅ、」

こういう言い方をするところがずるいと思う。

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