愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ16)

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　あくびをかみ殺しながら逆に問われ、私は昨日の出来事を頭に思い浮かべた。

　確か私は……研究室でサポートアイテムの調整をしていたような……。眠くて眠くて仕方がなく、それでも完成に近づけたいと手は動かしていた……はず。あと、同じ研究室で勉強している発目明が何かを言っていたような……、

「──あ、そうですわ！爆豪さん！！」
「あ？」
「ダイナマイトが活動休止ってどういうことですか！？」
「は？」
「せっかくトップ１０にランクインしたというのに！怪我ですか！？病気ですか！？私(わたくし)、それが気になって夜も眠れませんっ」
「寝てただろーが！ぐっすりと！！つ、つーか近ぇ！透けてんだよアホがっ！！ちったぁ隠せっ！！」
「す、透け……？ ──……っ！？」

　わずかに頬を染めてふいっと顔を反らしながら指摘され、なんのことかとわからず爆豪さんの指差す先を目で追うと自分の胸元に行き着いた。

「きゃああぁっ！！」

　サイズからしてメンズであろうシャツを羽織っていたのはいい。そうだ、私は今下着をつけていなかったのだ。下は丈の合わないジャージを履いているが、下着を履いていない事実は変わらない。ぶわっと顔に熱が集まり恥ずかしさがこみ上げる。両腕で胸を覆い体を縮こまらせると、今度は体のあちこちが痛んだ。

「な、なんですか、これ……っ」
「あーもう、おとなしく寝とけっ」

　目の前がぐるぐるするし、頭もズキズキと鈍い痛みがある。パニック気味に変な声を出していると、ゆっくりとベッドに寝かされた。
　覆いかぶさるように爆豪さんが私の顔を覗き込む。

「あ、あの、……っ、」

　布団を鼻先まで上げてぎゅっと目を閉じると、ゴツゴツとした大きな手が優しく額に触れた。

「……ったく、シャワー浴びながら寝る奴がいるか？風邪ひきますって言ってるよーなもんだろ」
「シャワー！？」
「あ？だから覚えてねーのかよ。この部屋に入った途端、目を覚ましたかと思ったら突然『お風呂に入らないと』とか言い出して、勝手に脱衣所に向かうは、俺の話を聞かずに服は脱ぎ出すわ」
「……」
「挙げ句の果てにシャワー浴びながら寝てんだぞ。なかなか出てこねーから様子を見にいったら中で倒れてるとか……！一瞬心臓止まったわ！！」

　反省しろ！と怒鳴られた。申し訳ありませんが、全っ然記憶にございません。

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