愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ17)

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☆☆ ページ17

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「寝言で体が痛いとか言ってたぞ。完全に風邪の症状だな」
「……」
「……まだ熱っぽいな」
「ん、」

　額に触れていた手が滑るように降りてきて、頬を撫でた。それがとても冷たくて気持ちが良い。

「もしかして……ずっと看病してくださってました？」
「あ？……まぁ、そうだけど」

　だから“さっきまともに寝付けたのに”という言葉が漏れたのだ。

「ありがとうございます……。それと、すみません……」
「別に」
「あの、そ、その……爆豪さんはなぜ服をお召しになっていないんですか？爆豪さんの方こそ風邪を引かれてしまうのでは？」
「心配せんでもそんなに柔じゃねーわ」
「そ、そうですか……」
「ま、でも肌寒いから布団に入ったんだけどな。この部屋にはベッドが一つしかねーし」

　言いながら爆豪さんは再びベッドに横になり、一枚しかない布団の中に入ってきた。驚く私の背に手を回し、引き寄せるようにして抱き込んで軽く息を吐く。その吐息を間近で感じた私は声を出さずに口をパクパクさせた。

「まだ荷物を解いてねーから服がなかったんだよ。昨日俺が着てた服はずぶ濡れのてめーを浴室から連れ出したことで使い物にならなくなった」
「あ、あの……ってことは、私(わたくし)のは、裸……っ」
「は？見たけど？」
「……っ！！！？」
「だったらシャワー浴びながら寝てんじゃんーよ。で、唯一ある着替えはてめーが今着ている。わかったか？」
「～～～～っ」

　怒るべきなのか、恥じるべきなのか、感謝すべきなのか。感情が追いつかない。両手で顔を覆っていると、頭を撫でる優しい手のひらの感触。良いから寝ろと囁いて、爆豪さんは眠りの体勢に入った。

　私は……私はどうしたら……──

　あらゆる感情が私の心を揺さぶる。困惑。郷愁。歓喜。

　悲嘆。胸の奥からこみ上げる感情とともに涙が溢れた。

　ああ、もう……どうして。

　私は、あなたに会いたくなかったのに──……

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