愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ39)

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☆★ ページ39

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　ダイナマイトはこの都市でヒーロー活動をしている。今日も大通りでパトロールをしているところを目撃したと、廊下でたむろっている研究生が話しているのを耳にしました。

　そして夕方近く。仕事を終えたダイナマイトが研究室に顔を出した。

「調子はどうだ」
「申し訳ありませんが、まだまだ時間がかかります。……っていうか、来ないでくださいと言ってますでしょう？」

　るんるんと籠手を触っていた時とは打って変わって、Aはダイナマイト──爆豪勝己に冷たい態度で応対していた。

「いいだろ、用があるんだから。で？どうなんだ？」
「解体して中を確認してみましたが、思っていた以上に傷んでました」
「やっぱりか」
「なんで……こんなになるまで……」
「あ？」

　Aは握りしめていた拳に力を込めた。

「万が一のことがあったらどうするんですの！？交戦中の故障が原因で怪我をすることもあります……っ、命を落とすことも……っ！」
「そこまでこれに頼りきってねーよ。使えなくなったとしても、かまわねぇ。ただ……付けておきたかったんだ。てめーが俺にくれたもんだからよ」
「……っ」

　優しい瞳で言う爆豪勝己の言葉にAは顔を真っ赤にしています。本っ当にこの子はポーカーフェイスが下手ですね。いえ、できてはいるんですよ。長く持たないだけで。

「と、とにかく！承ったからにはやり遂げますけど、部品の生成と組み立てには時間がかかります」
「お前の個性でまるごと新しく作れねぇのか？もちろん、その分の金はちゃんと払うつもりだ」
「……でき、ますわ。でも……」

　爆豪勝己の提案に、Aは苦い顔をした。

「父が……、」
「あ？」
「商業に絡むことは控えるようにと。一人前になるまで個性を売るようなことはやめなさいって」
「……」
「でも、爆豪さん……ダイナマイトのためなら──」
「あっそ。わかった」

　Aが父親との約束を反故にするそぶりを見せた時、爆豪勝己はその言葉を遮った。

「父親との約束をそう簡単に破ろうとするな」
「……はい。すみません」
「金は払えねぇのか、ふ～ん……。……オイ」
「はい」
「明日の夜、空けとけ」
「はい？」
「メシ食いに行くぞ」
「え、……ええ！？」

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