誰しも得意分野はあるもので ページ30
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Ａ組の寮、爆豪の部屋でAは期末テストの成績表を眺めていた。
「ふむ。体調が悪かった割には点数取れたし、トップはキープできたから及第点かな」
「んあ？」
各教科の点数とその総合、そして平均と順位が印字されている紙だ。
無遠慮に覗き込むとそこには自分が目指してやまない『総合順位１位』の文字が印字されていた。
(……コイツ、あの状態でトップをキープしやがったのか)
具合の悪いAを目にしていたのでまずトップは無理だろうと思っていたのだが、Aの精神力はキムチごときでは崩れなかったらしい。
切島あたりに聞かせてやれば卒倒するだろう。
「２位の人とそれほど差がなかったみたいだから、危なかったっちゃあ危なかったけど」
「あんだけ顔色悪くしといてか」
「むしろ問題解いてた方が気が紛れて楽だったかも」
「まじかよ」
切島なんか問題を読むだけで気分が悪くなると言っていたことを思い出し、まるで代弁するかのように口をついて出た。
「ん〜……でもなぁ……」
Aは不満げな表情で腰掛けていたベッドに仰向けに倒れ込んだ。
「んだよ」
「私、総合では１位だけど、ある１教科だけ１位が取れないんだよねぇ」
「どれだ」
「これ、ここ」
と、Aはほぼパーフェクトに近い成績表の中の“ある”教科を指差した。
「経営科の中では１位だから他のクラスの人だよね。誰だろ？」
ま、いいけど……と隣に座る爆豪の腰に腕を回し、目を閉じたと同時に寝息を立て始めた。
「……」
そんな寝顔を眺めながら、爆豪は今日のクラスメイトたちの会話を思い出していた。
＊＊＊＊
「なあなァ。今回のテストの最高点でギャンブルしようぜ〜。食堂の食券を賭けてさ！」
委員長として口うるさい飯田や先生に報告しそうな人間がいなくなったタイミングで峰田が得意げに提案した。
「峰田お前！ テストに保健体育があったらそれ言い出すよな！！」
「あの時はほいほい乗っちまったけど、もう騙されねーぞ！」
「そーだそーだ！」
以前に同じ手で参加者から食券を巻き上げたので、誰も手を上げるものはいなかった。
いいカモにされた下位の生徒はその時のことを思い出してか、憤慨した様子だった。
特に上鳴と切島と芦戸。
「ちぇっ」
＊＊＊＊
(くっだらねぇ……)
爆豪は穏やかに寝息をたてる恋人の隣に体を横たわらせて、大きなあくびをして目を閉じた。
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パチ麻呂(プロフ) - 続編うれしいです、作者様もどうかお身体に気をつけてください！ゆっくりでもいいのでずっと待ってます(;_;) (2020年5月8日 0時) (
レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 完結ですか？？この作品ものすごく好きだったので完結するのが悲しいです((泣)) (2020年3月5日 20時) (レス) id: 3aa825630d (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - えっ、、、イラスト美味すぎん、、、？作品内容もバリ良きだけど、イラスト書いている私からしてもこりゃ上手いわ……！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - お話は面白いし絵も素敵です。 (2019年10月24日 2時) (レス) id: 4b6f8d26fa (このIDを非表示/違反報告)
ツートップは神でしょ - すいません！轟さんバージョンの作品を見つけました！知らずに聞いてすいません・・・でもこのシリーズとっても大好きなのでこれからも頑張って下さい！！ (2019年5月8日 20時) (レス) id: 1be51e16a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年11月14日 22時
