お家の事情 ページ26
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Aは実家に寄らず、そのまま修善寺の本家へと向かった。
相変わらず重苦しい雰囲気がAを出迎える。
玄関で脱いだ靴を端に寄せて、先客の靴を見た。
数からしてまだ人は揃っていない。
Aの両親もまだらしい。
(早く来すぎた……)
もう１本か２本、電車を遅らせれば良かったと後悔しながら、通された座敷の端に座って両親が来るの待つ。
Aが来たと知っても、誰も話しかけようとはしなかった。
「どうもー。こんちわ〜」
「あっ、快治(かいじ)君、久しぶり！ 格好良くなったね〜」
「マジ？ サンキュー」
「ねぇねぇ、飛羽(とわ)は？ 可愛くなったでしょ？」
隣の部屋から若い男女の声が聞こえる。
Aの従兄たちだ。
甘えるような女の声に、Aは無意識に体を強張らせた。
父親の兄の長女。
Aより２つ年上で、名前を飛羽(とわ)という。
個性は『飛翼』で背中に小さな羽がついている。
普段はコンパクトなサイズにしているが、大きさは任意で変えられるらしい。
その翼を自在に操り、飛ぶことができる。
生まれた当時は「天使みたい」と、親戚中でかなりもてはやされたそう。
『天使の羽を持ったリカバリーガール』として、周囲から期待されていた。
しかし肝心の『癒し』の個性は受け継がれなかった。
親族たちは彼女から興味を失くし、次だ次だと手のひらを返した。
……が、生まれたのは個性を有していても性別は男。
諦めかけた時、Aのこと知った彼らは目の色を変えたらしい。
Aを次世代のリカバリーガールにと白羽の矢が立った。
彼らはAの一家を呼び戻し、表面的には快く歓迎した。
お前こそがリカバリーガールの後継だ、と。
それが飛羽の怒りを買ったらしい。
なにかとAに対して辛く当たってくる。
従兄と楽しく会話をしていた飛羽は「ちょっとトイレいってくる〜」と言って、Aがいる部屋のふすまを空けた。
「あ」
Aの姿を確認した時、飛羽は驚いた顔をした。
隣の部屋にいることを知らなかったらしい。
そっとふすまを閉めて、無表情でAの方へと近づいてきた。
「あらあら。Aちゃん久しぶりぃ」
「……こんにちは」
「あいかわらず気持ち悪い髪と目だね」
「……」
早く来てしまったばかりに彼女の嫌味を聞くはめになった。
いつもはギリギリにくるのに、本当に今日はついていない。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
