合格 ページ3
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ひらひらと、どこを向いても視界に入る桜の花びらの歓迎を受けて、Aは雄英高校の門をくぐった。
皺のない制服に身を包み、今日から通う学び舎を見上げる。
(結局来ちゃったな……雄英)
受験の結果、Aは見事に経営科に合格した。
ゆる〜く合格ラインを目指そうとしたが、ずらりと並ぶ難しい問題の数々に闘争心が沸き、本気で解いてしまった。
もともと成績は良かったので、持ち得る知識と柔軟な頭で解答を導き出せた。
ただ不満だったのは問題の数に対する試験時間の短さ。
(時間さえあれば全部解けたのに……！)
問題の数は５０問。
１時間という短い時間の中で、全問解答は無理だった。
しかも先に進めば進むほど難易度は上がっている。
問題の理解と解答欄への記入の時間を考えると、全問解答はまず無理だ。
(判断力も試されているってことか……)
Aはこの試験の意図を瞬時に理解し、獲得点数の多い最後の問題から解きはじめた。
途中で気づいた生徒もいたが、時すでに遅し。
どれだけ早く気づいて正しく解答できるかが、この試験のポイントだった。
(本当、意地悪だよね〜)
試験を思い出しながら、自分の教室を目指す生徒たちの波に乗って廊下を歩いていると、前を歩いていた人物にぶつかってしまった。
考え事に夢中で前方への注意が疎かになっていた。
「あ……ごめんなさ――」
完全に自分に非があることを自覚していたので、咄嗟に謝ろうとした――が、
「オイっ！ どこ見てんだ、てめぇーっ！」
「……へ？」
ぶつかってしまった男子生徒は振り返ったと同時にAをギロリと睨みつけた。
見下ろす瞳は赤く燃えるような色だった。
廊下に響く大きな怒声に、周囲の生徒が一斉にこちらに視線を向ける。
「えっと……だから、ごめん――」
「うるせぇ！ モブが俺に話しかけんじゃねー！！」
不機嫌さを隠す様子もない男子生徒は、Aの言葉を遮るように一方的に暴言を投げつけて、ずかずかと歩いていってしまった。
今のやりとりを見ていた生徒たちは、さっと道を開けて彼の行く先を見送った。
その横暴な振る舞いに「えぇ〜……」と内心ドン引きしながら、Aは去り行く男子生徒の背中を眺めていた。
これが爆豪勝己との初めの出会いだった。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみあ - すみません…昔読んでいて何回も読み直して1番のお気に入りだったので…『原作の知識を与えられたからには全力で関わりを拒否します』のパスワードを教えて貰えませんでしょうか (2022年6月14日 19時) (
レス) id: 03be76b48c (このIDを非表示/違反報告)
椿 - イラストの方をログインユーザー限定にしないでくれませんか？ (2019年6月29日 16時) (レス) id: c09adaf99f (このIDを非表示/違反報告)
血霧の紅月(プロフ) - 絵がとてもうまいんですね！自分もあんなに上手くデジタルかけるようになりたいです！更新待ってます！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: 1875e25498 (このIDを非表示/違反報告)
ラハル - とても読みやすく、絵もお上手で羨ましいです！^^*つづきがたのしみヽ(*´∀｀)ノ (2018年8月22日 0時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
庄南 - 絵がすげぇー！作品も、読みやすい！ (2018年8月11日 1時) (レス) id: 46531bb7b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年4月4日 22時
