ヒロイック・シンフォニー【Secret】 (ページ45)

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　　　「もっとちょうだい」ページ45

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爆豪の車に乗せられ、大学を出る。
Aは自分のマンションまで送ってくれるものだと思ったが、気づけば爆豪の部屋のベッドで寝ていた。

大好きな人の香りがする布団に包まれて……というのも悪くないと思いながら、再び深い眠りについた。

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「勝己君、勝己君。あーん」
「……ほらよ」

爆豪が持つスプーンに向けて大きく口を開ける。
ほくほくと湯気を立てているグラタンを、Aはぱくっと食べた。

少し眠って体調が戻ったAは、お腹が空いたと言って好物のグラタンを所望した。
面倒な顔をしながらも、きっちりA好みに仕上げてくれる優しさが嬉しい。

「ん～～、美味しい」
「あ、そ」

頬に手をあてて感想を言うと、爆豪は素っ気なく応えた。

「勝己君、もっとちょうだい」
「へいへい」

ベストジーニストにガッチガチに固められた髪が元に戻らないと怒りながらも、Aを甘やかしてくれる。
気分よく微笑みながら次を催促すると、甲斐甲斐しく口にグラタンを運んでくれた。

数分でグラタンは綺麗に完食。
Aは皿を洗う爆豪の背中をぽけーっと見つめた。

昨日のヒーロー姿はとても格好良かったことをことを思い出す。
冬なのにちゃんと汗が出るんだなぁと感心しながら。

汗……と思い浮かべて、自分の体が少し汗っぽく感じた。

「勝己君、お風呂入らせてもらって良い？」
「ん」

給湯スイッチに手を伸ばして電源を入れてくれた。
その背中にぴとっと体をくっつける。

洗い物がすんだら今度は正面から抱きついた。

「あ？どうした、さっきから」

まだ熱があるのか？と額や頬に手をあてて確認してくるが、ほぼ平熱に戻っている。
今は甘えたい気分なのだ。

意図を察した爆豪は抱き上げてソファーに深く腰掛けた。
Aは開いた足の間にできたスペースに膝を立てて首に腕を回す。

「ねぇ。お風呂……一緒に入る？」

挑発的に微笑んでみせると、爆豪はシャツのボタンを緩めはじめた。
腰を支える手は徐々に下がっていき、ズボンに指を引っかける。

「勝己君、入るだけだよ──ん、」
「我慢できっかよ」
「ひゃ……ぅ、っ」

誘ったのはてめーだからな……と、服の中に手を滑らせていく。
冷たい指先が触れるたびにAは小さく喘いた。

２人はその場で衣服を脱ぎ捨てる。
風呂の準備ができた頃には、新たな汗が体を伝っていた。

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