154話「生きてる」 ページ8
目が覚めると上には星空が広がっていた。
...どうやら部屋がガラス張りの医務室にいるみたい。
私は...生きてる。
5本刺されたけれど...解毒薬のおかげで生きている...。
針が刺さって変色した腕はすっかり肌の色を取り戻していて、効果のあり過ぎる解毒薬に少し驚きもあった。
ケ「お...Aちゃん、起きたみたいだね。」
『ケイジ...さん。』
あの告白をしてから、ケイジさんとは久しぶりに話す。
気まずいままではあるけど、解毒薬を見付けてくれたケイジさんのおかげで...私は生きている。
『...ありがとう、ございます。
貴方が解毒薬を見つけてくれていなかったら...今頃、私は死んでいました...。』
ケ「いやー...なんと言うか...どういたしまして。」
歯切れが悪そうなその変な誤魔化し方に疑問を持ったけれど、飛び込んで来た人物への驚きで有耶無耶になった。
ギ「A姉ちゃん!!
無事でよかったニャン!!
ボクの事守ってくれてありがとワン!!」
『ギン君...そっちこそ...無事で良かった...。』
目の前でギン君が笑ってる。
怪我なく、元気で......。
私が...助けられた命...。
カ「Aさん...本当に...本当に...無事で良かった...うぅ...。」
ギン君の後ろには、ボロボロと零した涙を制服の袖で拭っているカンナがいた。
『カンナ...ごめんね...ごめんね...。
私...あの時、生きるの諦めてた...。
でも...ソウさんが、諦めるなって言ってくれたから...まだ生きたいって思えた...。
...ありがとうございます、ソウさん。』
ソ「...別に...でも、生きてて良かったよA。」
本当に良かった...。
カンナに死ぬ所を見せなくて...。
ソウさんとまた会うことができて...。
まずは助かった命に感謝しないと...。
.
.
.
医務室にサラちゃんが入ってきた。
サ「Aさん...!無事で良かった...!」
見捨てたクセに...まだそんな風に言えるんだ。
.
しかも...次に出てきた言葉は......本物のレコさんの死だ。
私を見殺しにして、ニセモノの...人形のレコさんを優先したくせに...本物のレコさんを死なせたんだ。
サラちゃんの行動が分からなくなって来た...。
サラちゃんが正義で...私達が悪だって...思っていたはず何だけどな...。
今の私にとってサラちゃんは...悪だ。
ソウさんがサラちゃんの事を目の敵にする理由がようやく分かった。
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伊豆花織(プロフ) - きてる©さん» 一気見ありがとうございます!!コメントまで嬉しいです!ここからも面白い話を更新出来るように頑張ります! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
きてる©(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…!一気読みしてしまいました…💦更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 6a4605f739 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 望さん» 愛の告白…!!嬉しいです!期待の言葉ほど嬉しいものはありません!これからもバンバン投下していきますので心臓にはお気を付け下さい! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - ホントに………好きです。愛してます。これからの展開が楽しみすぎて………ちょっと心臓が持たないです… (2021年9月20日 22時) (レス) id: 3d0f44108d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» 見てくれた上にコメントまで…!ありがとうございます!“ソウさん”との関係は今後も書いていく予定なのでご期待下さい! (2021年9月20日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年9月9日 20時