守るべき秘密 3 ページ20
白蘭side
「はっ…はぁっ…」
息が苦しい。胸の中で暴れているのかと思うほどに心臓が痛くて、無意識に胸のあたりを握りしめた。
こんなにも全力で駆けたのなんていつぶりだろう。
(…そう言えば、お菓子ばっかり食べてないでもっと運動しろ！自分の足で歩け！って、よくAちゃんに怒られたっけ。
もっと言うこと…聞いとけばよかったかな)
そんなことを思っている場合じゃないのに、Aちゃんの顔が浮かんで、生きるために足が前へ前へと踏み出していく。
もがれた背中の羽根の痕がひどく痛む。
流れ出す血を滴らせながら、僕はひたすらに走り続けていた。
木々の間を縫うように走る僕の上を、不意に何かが追い越していく。
その気配にとっさに立ち止まると、『彼』は楽しげにこちらを振り返った。
「鬼ごっこは終わりですよ」
白蘭「！」
闇夜からこちらを攻撃してきていた敵。
月明かりに照らされてようやく薄ぼんやりと視認できたその顔に、僕は少し目を細める。
白蘭「…あれ。キミ、どこかで会ったことあったっけ？なーんか見覚えあるんだよね」
「…さあてね。」
少女とも少年とも取れぬ声と、自分より背丈の低い影。
流暢に話された日本語と微かに見えた水色の瞳は、不思議とAちゃんを彷彿とさせた。
白蘭(…強い…)
何度も『力』を使って疲弊していたとは言え、そんじょそこらの輩になんか負ける気はしなかった。
でも、今夜出会ったこの子は…今までの相手とは格が違う。
かつて『王』だった頃のAちゃんを前にしているような…そんな実力の差を感じて、僕の額に一筋の汗が流れる。
「教えてください。ジッリョネロファミリー…大空のアルコバレーノ ユニは何処にいるんですか。」
白蘭「ハハ…しつこいなぁ。
知らないってば。」
「嘘をつかないでください」
白蘭「！」
一瞬で間合いを詰めた影が、僕の腹に向かって思いっきり回し蹴りを食らわせる。
反射的にそれを腕でガードするも、炎を帯びた脚での攻撃は僕を真横へ吹き飛ばした。
「炎、満足に使えないでしょう。
我々の技術を持ってすれば、元７³保持者と言えども赤子同様…簡単に殺せます。」
淡々と話す声が静かに近づいてくる。
口の中に血の味が広がるのを感じながら、僕なんとか起き上がろうと近くの木の幹に手をつく。
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らっく(プロフ) - ようやく3に行きます！最近放置しすぎてたのでもう殿堂入りは無理かなと思いつつ更新していたら、なんとすごく評価の投票数が伸びました…みなさんのおかげです！コメント下さった方、お気に入り登録して下さった方もありがとうございます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - さむらさん» 本当にお久しぶりですー！更新遅くなってすみませんでした。3月はまだ更新できますので、引き続きお待ちください！ (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 槻藤 都咲さん» お返事が遅くなってすみません！初めから読んで下さったのですね、本当にありがとうございます！またぼちぼち連載しているのでまたお暇な時にでも読みに来てくださいね。 (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
さむら - 久々の大量更新嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2019年3月10日 17時) (レス) id: 1357e2988b (このIDを非表示/違反報告)
槻藤 都咲(プロフ) - 1話から見させてもらってますが凄く良い作品ですね。 (2019年2月14日 2時) (レス) id: f4cb8543e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年10月21日 14時
