すれ違いはもう終わり？ 7 ページ16
主人公side
帰っていったツナを見送ったあと、オレは昨日も訪れたホテルへもう一度足を踏み入れた。
「よう」
スーツ姿でフロントへ向かおうとするオレに、ラフなボーダーシャツを着たベルが声をかけてきた。
貴「ベル」
ベル「また9代目に会いに来たのかよ。」
貴「そうだ。ツナと決めたことがあったから、その件を報告にな」
ベル「ふーん。ならこっち来いよ。
ジジイの部屋知ってっから」
貴「ありがとう」
自然に手を取られて、オレはエレベーターに乗せられながらベルが最上階のボタンを操作するのを見ていた。
閉じられた扉の中で、束の間の会話をオレたちは交わす。
ベル「昨日空港で会ったとき、まだ沢田の婚約者になる話されてなかったんだってな。
…当然断ったよな？」
貴「ああ。今回のパーティーには虹の守護者として参加するだけだ」
ベル「だよな。断ってなかったら沢田のやつどーやって殺してやろうかと思ってたぜ♪」
殺意を隠そうともしないベルに苦笑いをしながら、フと気になったことを口にした。
貴「ベルは、ツナが私のこと好きだって気づいてたのか？」
ベル「あ…？」
珍しくキョトンとしたかと思うと、ベルは少し真顔になって…深いため息をついた。
ベル「…チッ。誰が教えたんだよ、それ」
貴「ツナからだ。
今朝、告白されたんだ」
ベル「はあ！？じゃあ、お前らもう付き合っちまってんのかよ！」
ドンっと顔の横に手をつかれて、私は無意識にたじろぎながら狭い個室の隅に追い詰められる。
ベルのこんなに焦った顔を見たことがなくて、見ることになるとは思わなくて、私は目を丸くしながらなんとか答えた。
貴「い、いや…付き合ってないよ。
私が振ったから。」
ベル「あ！？ なんでだよ！
お前、前までは誰がどう見たって沢田のことが好きで…」
貴「もう好きじゃないんだ」
ツナに告白された時に感じた素直な感想を私はベルに伝えた。
貴「ツナのことは好きだった。
今は好きじゃない、だから振った。
それだけだよ」
好きだった。本当に誰よりも。
でも『死ぬ気』で恋心を諦めた私の胸の中にもうツナを慕う気持ちはない。
ツナに告白されたことでまた蘇るかと思った恋心は、むしろもう空虚に消えてしまっていたことを浮き彫りにされて、私にその事実を受け止めさせた。
貴「その様子だとやっぱり、ツナが私を好きだったこと…お前も知ってたんだな。」
ベルだけじゃない…きっと9代目や他の皆も。
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らっく(プロフ) - ようやく3に行きます！最近放置しすぎてたのでもう殿堂入りは無理かなと思いつつ更新していたら、なんとすごく評価の投票数が伸びました…みなさんのおかげです！コメント下さった方、お気に入り登録して下さった方もありがとうございます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - さむらさん» 本当にお久しぶりですー！更新遅くなってすみませんでした。3月はまだ更新できますので、引き続きお待ちください！ (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 槻藤 都咲さん» お返事が遅くなってすみません！初めから読んで下さったのですね、本当にありがとうございます！またぼちぼち連載しているのでまたお暇な時にでも読みに来てくださいね。 (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
さむら - 久々の大量更新嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2019年3月10日 17時) (レス) id: 1357e2988b (このIDを非表示/違反報告)
槻藤 都咲(プロフ) - 1話から見させてもらってますが凄く良い作品ですね。 (2019年2月14日 2時) (レス) id: f4cb8543e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年10月21日 14時
