すれ違いはもう終わり？ 6 ページ15
貴「じゃ、これで共犯だな オレたち。」
Aはヒミツを共有することを楽しむように、立てた人さし指をくちびるに当てて「しーっ」というジェスチャーをした。
その悪戯な笑顔に心奪われながら、俺はAの明るさに救われる。
きっとAにだって、俺と同じようにみんなに正直に話せないことへの罪悪感はある。
俺が背負うべきだったそれをAはわざわざ自分から背負って、苦しさを半分こにして、『大丈夫だよ』と笑ってくれた。
俺は…Aのそういう優しいところが…
ツナ(って、惚れ直してる場合じゃない！！)
置いてけぼりだった感情が、ようやく話の区切りがついた今に追いついてくる。
ツナ(さっきはいつのまにかあっさり振られちゃって、俺も納得して諦めるみたいな雰囲気のまま終わっちゃったけど…
それでも諦められるわけじゃないって…ずっと好きでいるって…なんとか、言わなきゃ)
話をどうやって戻して、自分の想いがまだ終わらせられないことを告げようかとAの横顔をチラリと盗み見る。
すると、まだこちらをじっと見ていたAと目が合って、俺は思わぬ熱視線にすぐに頭が真っ白になった。
ツナ「な、なに？俺の顔何かついてる！？」
至近距離で見てくるAの視線から逃げ場がなくて、顔を赤らめながら尋ねると…
貴「…んー、蒸し返すようで悪いんだけど」
と、口もとに手を当てて考えるように視線を彷徨わせた。
ツナ「蒸し返すって…なにを？」
貴「その、さっきツナが言ってくれた…オレが好きだって話。
聞いちゃマズイかと思ったんだけど、１つどうしても…気になることがあって…」
Aから話を戻してくれたことに思わず目を丸くして、これは好機とばかりに声を上げる。
ツナ「きっ、気になることって？」
俺が質問を促すと、Aはそれでも一瞬視線を彷徨わせて、下を見ると…覚悟を決めるように一度ゆっくりまばたきをした。
彼女のくちびるが、真剣な瞳をたずさえて、聞きにくいことを尋ねるように重苦しく動いた。
貴「───────？」
ツナ「え…」
Aのその問いに、俺は思わず息を止めながら、彼女を見つめ返すことしかできなかったんだ。
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らっく(プロフ) - ようやく3に行きます！最近放置しすぎてたのでもう殿堂入りは無理かなと思いつつ更新していたら、なんとすごく評価の投票数が伸びました…みなさんのおかげです！コメント下さった方、お気に入り登録して下さった方もありがとうございます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - さむらさん» 本当にお久しぶりですー！更新遅くなってすみませんでした。3月はまだ更新できますので、引き続きお待ちください！ (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 槻藤 都咲さん» お返事が遅くなってすみません！初めから読んで下さったのですね、本当にありがとうございます！またぼちぼち連載しているのでまたお暇な時にでも読みに来てくださいね。 (2019年3月13日 16時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
さむら - 久々の大量更新嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2019年3月10日 17時) (レス) id: 1357e2988b (このIDを非表示/違反報告)
槻藤 都咲(プロフ) - 1話から見させてもらってますが凄く良い作品ですね。 (2019年2月14日 2時) (レス) id: f4cb8543e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年10月21日 14時
