虹と夜と星と 2 ページ4
貴「つっ…かれたな〜」
もう組織が追ってこないことを確認し、ネクタイを緩めながら取引の待ち合わせ場所へと急ぐ。
半死ぬ気モードを解きながら頭にかぶっていた金髪のウィッグを外し、蒸れた頭から湿気を流すように短い髪をくしゃくしゃと掻き乱した。
「…遅え」
約束場所には、すでに取引相手がいた。
街灯のみが照らす石畳の広場でベンチに座る彼を見た瞬間、オレは慌てて身なりを整える。
貴「じっ、時間通りに来たつもりでしたが…随分早く到着されたんですね。
お待たせしました、XANXUSさん。」
相変わらずの強面にそう声をかければ、彼は立ち上がることもそれ以上言葉を発することもなくオレが歩み寄るのを待った。
オレはまた胸ポケットから今度は盗んできたチップを取り出し、透明なケースに入れたそれを今回の依頼主に渡す。
ザン「…首尾は」
貴「今のところ死傷者はナシ。
ただ、今回手引きを手伝わせた男が寝返りました。おかげでオレはこうやって汗だくで逃げ回る羽目に…」
2回ほどしか会わなかった希薄な関係のビジネスパートナーの顔を、忘れないように脳に刻み込む。
ヘラヘラと笑いながらオレを敵に見つかる場所へ誘い出してトンズラこいた男の顔をオレはきっと忘れないだろう。
あいにく、情報を提供したにも関わらずまんまとオレに逃げられたあの男は今ごろとっ捕まってるだろうし、2度と会うことはないかもしれないが。
ザン「1人でやりゃいいのにわざわざゴロツキ上がりの男を雇うからだ」
貴「1人でできましたけど、万全を期すためには人手が必要だったんですよ。
金で釣った相手を選んだのは間違いでしたけど」
勝手に隣に座り、耳につけた通信機に意識を向ける。
あの屋敷のあちこちに仕掛けたままの盗聴機の中では、騒がしい男たちの怒声と騒がしい足音だけが行き交っていた。
その電源を切ることもなく、オレはXANXUSさんの方を向く。
貴「報酬はいつもの額を口座に。
殺し以外の仕事のならまた引き受けますよ」
ザン「…甘ったれが」
チップを乱暴にしまい、ギロリと彼の目がこちらを睨む。
少し湿ったその目玉は街灯の柔い光を少し反射させ、強烈な眼光へと変えた。
ザン「殺しをすりゃ報酬は増える。
お前の名もさらに売れる。
いずれこの世界にいれば手を染めることだっつってんだろ」
何回も言われた説教じみたこの世界での正論に、オレはいつものように何回も見せてきた苦笑いを浮かべて見せた。
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らっく(プロフ) - オハオハ＃さん» 初めまして、コメントありがとうございます。とんでもございません、まだまだ拙いところがたくさんありますが、これからも文章力を磨けるように頑張っていきます！オハオハ#さんも頑張ってくださいね！ (2018年10月19日 10時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - まおさん» こにちは、コメントありがとうございます！Twitterフォローしてくださってるんですね。なるべく鍵アカのほうでフォロバしてるつもりですができていなければお声がけくださいね。応援ありがとうございました！ (2018年10月19日 9時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
オハオハ＃ - とても面白いです。高評価させていただきました。私も今日初めてリボーンの小説を投稿しましたが私より文章力があってうらやましいです！これからも更新頑張ってください。 (2018年10月15日 20時) (レス) id: c0c82837f5 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - こんにちは(^○^)らっくさんの作品は最初から今まで楽しく読ませていただいています。これからも、更新頑張って下さい＼(^-^)／応援しています。ちなみにTwitter藻、フォローさせていただいています。 (2018年10月15日 11時) (レス) id: ced873899f (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 評価・お気に入り登録増えてて嬉しいです！最近はお気に入り作者にも登録してくださる方が増えてウキウキです〜ありがとうございます〜！ (2018年10月14日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年9月8日 18時
