She is mine 4 ページ19
ずいぶんひどい感情を丸出しにしてくれるものだ。
相手が僕じゃなければきっと君は、申し訳なさそうな顔をして『それでも…気持ちには応えられない』なんて弱々しく、優しく断ってくれるだろうに。
今の君は、僕にそんな風に優しくしてくれやしない。
貴「…もう嫌なんだよ。」
お盆にお茶を乗せてこちらに回ってきた彼女は、目の前にティーカップを置いてくれた。
湯気越しに見上げたその青い瞳には、愁いの色が映る。
白い皿に並べられたクッキーも一緒に置くと、彼女は僕の前に頬杖をついて座った。
貴「…昔から恋愛を『病気』や『狂気』にたとえる詩人や作家は多くいた。かつての自分はそれを理解できなかったが…実際に体験してみて実によくわかった。
恋愛ってのは確かに人をおかしくさせる。ある種の麻薬と同じだ。
正しく扱えてるうちは楽しいもんだが、誤れば途端に地獄へ真っ逆さま。
あそこまで人を盲目にさせる感情を、未熟な私はまだ制御しきれるとは思えない。
それに…」
イチゴジャムで彩られた花型のクッキーを1枚取って、Aちゃんは視線をその赤に移す。
貴「…好意を諦めなければいけない時の苦しみも、諦めたあとの胸の空虚さも、2度目はきっと耐えられないよ。」
お前が思っているほど私は強くないからね。
とだけ言って、彼女はクッキーを頬張った。
白蘭(…そんな苦しみも空虚さも
僕と付き合えば味わうことはないのに。)
そんなことを言ってゴネようとするけれど、僕は彼女の意を汲んで少し押し黙る。
分かってる。君は自分がそんな思いをしたくないだけじゃないって。
Aちゃんは…他の人にも同じ思いをさせたくないんだろ。
炎真クンと恋人のふりをしたことで彼の好意を傷つけたこともあってか、君は中途半端に甘い夢を見せるよりもキッパリと断ることの方が他人を…僕を苦しめないと気づいてるから。
貴「だから、私は自分が未熟な内は恋をする気は無いんだ。
私を待ちきれないっていうならもう諦めてくれた方がいい…というよりは、諦めるべきだ。
いい加減お前も別の子に目を向けるべきだよ。」
本当にひどいことばかり言うよね。
優しい言葉で包んで、君は僕の心に鋭い否定を突き刺す。
他の人に告白された時より、明確な否定の意思を持って僕の好意を拒絶する。
でも、いいんだそれで。
今の僕はそれがどんな意味を持っているのか分かっているんだから。
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らっく(プロフ) - オハオハ＃さん» 初めまして、コメントありがとうございます。とんでもございません、まだまだ拙いところがたくさんありますが、これからも文章力を磨けるように頑張っていきます！オハオハ#さんも頑張ってくださいね！ (2018年10月19日 10時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - まおさん» こにちは、コメントありがとうございます！Twitterフォローしてくださってるんですね。なるべく鍵アカのほうでフォロバしてるつもりですができていなければお声がけくださいね。応援ありがとうございました！ (2018年10月19日 9時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
オハオハ＃ - とても面白いです。高評価させていただきました。私も今日初めてリボーンの小説を投稿しましたが私より文章力があってうらやましいです！これからも更新頑張ってください。 (2018年10月15日 20時) (レス) id: c0c82837f5 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - こんにちは(^○^)らっくさんの作品は最初から今まで楽しく読ませていただいています。これからも、更新頑張って下さい＼(^-^)／応援しています。ちなみにTwitter藻、フォローさせていただいています。 (2018年10月15日 11時) (レス) id: ced873899f (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 評価・お気に入り登録増えてて嬉しいです！最近はお気に入り作者にも登録してくださる方が増えてウキウキです〜ありがとうございます〜！ (2018年10月14日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年9月8日 18時
