prologue ページ1
切れかけの真っ白な街灯が、不規則に何度も途切れながら電柱の下の僕を照らす。
日の沈んだ夜。
雨に降られても、それから逃がれることもできずに冷えていく僕に
ただあなたは透明なビニール傘を差し出した。
「…同情ですか？」
自分が濡れることなんか気にもせずに、当然のように僕に優しくできるあなたが恨めしかった。
だから、僕があなたと初めて交わした言葉はそんな皮肉混じりの文句だった。
傘を受け取ろうとしない僕に、それでも傘を差し出すことをやめないあなたは、暗闇の中で無表情に答える。
「…他人に同情なんてしない。」
いつも学校で聞いていたのと同じ、感情の起伏のない声は
それでもどこか物悲しく、僕と同じような羨むような色を持って
雨音と混ざり合いながら僕の耳に届いた。
「むしろ…羨ましいよ。
この雨粒とは違う雫で、頬を濡らせる君が…オレは羨ましい。」
「え…？」
音を発した彼女の唇はなんの感情にも形を変えなかった。
けれど、一瞬見えた寂しげな瞳に僕は思わずたじろいでしまう。
そんなこちらの反応など気にもせず傘を握らせて、あなたは一歩後ろへと引き下がる。
「傘は返さなくていいよ。
…さよなら、また明日」
礼を言わせる隙もなく、彼女はずぶ濡れになりながら道を駆けていく。
自然とその後ろ姿に目が行って、目が離せなくて、見えなくなるまで瞳で彼女を追いかけてる自分。
真っ暗な夜の闇の中だというのに、彼女の姿はまるで星のように輝いて、その強い光が僕の視線を奪っていた。
「…。」
光が見えなくなると、僕は受け取った透明な傘を見上げた。
無数の玉のような雫を受け止めたそれは、さっきまで色褪せていた街灯の白い光を乱反射し、キラキラと輝く。
それはまるで…プラネタリウムを見せられているよう。
(嗚呼、そうか…)
腑に落ちるように、恋に落ちた。
彼女は『星』なんだ。
僕の暗い人生を照らす、たった１つの一等星。
切なく拙く優しい彼女は…
不器用で、憎くて、羨ましくて、尊くて…なんて愛おしい存在なのだろう。
「花村…A」
初めてその名を口にした自分の唇をそっと指先で撫でる。
この汚れた世界で見つけた、何よりも清らかな存在。
あなたが欲しい…あなたを僕のものにしたい。
だから…僕と共に『星』になりましょう、花村Aさん。
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らっく(プロフ) - オハオハ＃さん» 初めまして、コメントありがとうございます。とんでもございません、まだまだ拙いところがたくさんありますが、これからも文章力を磨けるように頑張っていきます！オハオハ#さんも頑張ってくださいね！ (2018年10月19日 10時) (
レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - まおさん» こにちは、コメントありがとうございます！Twitterフォローしてくださってるんですね。なるべく鍵アカのほうでフォロバしてるつもりですができていなければお声がけくださいね。応援ありがとうございました！ (2018年10月19日 9時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
オハオハ＃ - とても面白いです。高評価させていただきました。私も今日初めてリボーンの小説を投稿しましたが私より文章力があってうらやましいです！これからも更新頑張ってください。 (2018年10月15日 20時) (レス) id: c0c82837f5 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - こんにちは(^○^)らっくさんの作品は最初から今まで楽しく読ませていただいています。これからも、更新頑張って下さい＼(^-^)／応援しています。ちなみにTwitter藻、フォローさせていただいています。 (2018年10月15日 11時) (レス) id: ced873899f (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 評価・お気に入り登録増えてて嬉しいです！最近はお気に入り作者にも登録してくださる方が増えてウキウキです〜ありがとうございます〜！ (2018年10月14日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年9月8日 18時
