【109】告白は、非難のあとで ページ9
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A「それ、本気で言ってます？」
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視線を５人に投げたままわたしが発した言葉は、思った以上に非難めいていた。
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A「そんな事して、彼らが喜ぶと？ 本気で思ってます？」
小津「うーん……」
A「多分、喜びませんよ」
小津「………………随分、解ってるんだ。アイツらのこと」
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今度は、わたしが小津さんに非難される側になった。
(非難される意味が解んないんだけど！)
それでもわたしは、「わたしは確かに彼らとの付き合いは短いですけど」と前置きをしてから、小津さんを続けて責めた。
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A「自分たちが成功する為に、自分の周囲の人間が犠牲になって、なんて……
そういうのナンセンスだと思う……んじゃ、ないんですかねぇ？」
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小津さんは、驚いたのか─────わたしの方をみた。
視界の端でそれが確認できたけれど、それを無視してわたしはカメラの前で笑顔を振りまく５人に。
櫻井翔に、焦点を合わせた。
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A「……と、思いますよ？」
小津「驚いたな……」
A「え？」
小津「いや、それあの時……櫻井にも言われたな」
A「え……？」
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今、正に視界のすべてを占めていた彼の名前が飛び出して、今度はわたしが驚いて小津さんをみる。
すると小津さんは「やっとこっち見た(笑)」とおどけて笑った。
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小津「五宮と結婚辞めるって話をした時……櫻井にも、そう言われたよ。『ふざけんな』って」
A「…………でしょうね」
小津「厳しい(笑)」
A「そりゃ、言うでしょうね」
小津「『ふざけんなって思うなら、そんな事スタッフがせずに済むくらい押しも押されぬアイドルになれよ』って俺、言ったんだけどさ」
A「それはその頃の彼に言っちゃだめでしょう……」
小津「うん。 それ以来、嫌われっぱなしなんだ。アイツに(笑)」
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小津さんが自嘲して、わたしは「え」と驚いた。
だって、始めてみた時には兄弟なのかっていうくらいの雰囲気で─────仲が良さそうに見えていたからだ。
そんなわたしの事なんか小津さんはお見通しだとでもいうように、わたしに「驚いた？(笑)」と、そうニヤリと笑った。
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小津「櫻井はさ、俺の事どのマネージャーよりも嫌ってるから……他のメンバーには関わんなって言って、俺を傍に置いてたんだ」
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突然された告白に、わたしはやっぱり「そう、なんですか」と答えるのが精一杯だった。
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作者名：１２（とうふ）
| 作成日時：2014年1月31日 5時
