クリスマス特別編2 ページ14
｢どういうこと？｣
目付きが自然と鋭くなり、じっと元気そうなヴィクトルを中心にしたスケート関係の集団を見る。
｢ごめんねA。
そうユウリに書いてもらわないとA来ないでしょ？｣
テヘッ☆と舌を出すヴィクトルに殺気を覚えつつ、ひたすら土下座をする勇利を落ち着かせる。
｢Aは優しすぎんだよ。
そこはカツ丼に謝らせ続けるべきだろ｣
と嫌そうな顔のユーリに、
｢いや、そこは反省してないヴィクトルを注意すべきじゃない？｣
とクリストフがツッコんだ。
｢なにこのシュールな場面。SNS載せたい！｣
｢＿＿＿＿＿と言うわけだ。ここでクリスマス兼誕生日パーティーをする｣
騒がしいなかで話を完結させたオタベックはこの中でもっとも真面だった。
すでに酒が入った人たちとそうでない人。
ビールを片手に踊り出した勇利にからかわれているユーリ。
携帯でパシャっと写真をとって投稿するピチットもなんだか楽しそうだった。
｢本当ごめん。でもね、そんなことしてまでAに来てほしかったんだよ。
Aとも楽しさを共有したかった｣
｢いいよ。もう、怒ってない。
それにしても何年ぶりかな？
一緒にクリスマスと誕生日を過ごすの｣
｢12年ぶりだね。
やっと一緒にいれた｣
ぎゅーとボクを抱きしめるヴィクトル。
彼からにおう酒の匂いで彼が酔っているとわかる。
｢………………ヴィクトル｣
｢うん？｣
｢ありがとう｣
目をトロンとしたヴィクトルはなんだか嬉しそうに微笑んで瞳を閉じた。
毛布を持ってきてあげようとボクの身体を抱いてる腕をほどこうとするが、
力が強くてほどけない。
仕方なく、あきらめて横になる。
｢おやすみ、ヴィクトル｣
目を閉じたボクも静かに夢の世界に沈んでいった。
｢見てみて。ヴィクトルとAが抱き合って寝てる｣
｢幸せそうだね｣
次の朝、ピチットによって
ぐっすり眠っているAとヴィクトルの写真がネットに上がった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂雅 | 作成日時：2016年12月18日 15時
